1984年の今日(2月11日)、最高位2位を記録した Kool & The Gang(クール&ザ・ギャング)の “Joanna” について解説しました。
ジョアンナという特別な女性に向けたラブ・ソングで、「ラ、ラ、ラ、ラ…」というコーラスと管楽器のサウンドが特徴的なR&Bバラード。
もともと、ギター担当のチャールズ・スミス(2006年に57歳で死去)が “Dear Mama” というタイトルでバンドに持ち込んできたこの曲は、サックス担当のロナルド・ベルが、(グラミーで最優秀レコード賞を獲得した)トトの “Rosanna” ように(女性の)名前をタイトルにするのがトレンドになっているとアドバイスしたことによって “Joanna” に変更、そのことも奏功して(カルチャー・クラブの “Karma Chameleon” によって1位獲得は阻まれたものの)、彼らにとっては “Celebration”(1981年、最高位1位)に次ぐ2番目の大ヒット曲となっています。
フックではシンプルに、
ジョアンナ、君を愛してる
君はかけがえのない人 僕にとってかけがえのない人
と歌われており、ヴォーカルのJ.T.テイラーの持ち味が生かされていますが、ヴァースには
彼女は僕に愛を与えてくれる
決して僕をがっかりさせない 特に夜は
という歌詞もあり、R&B(≒エロ)の持ち味もしっかり出ています。
また、(いつものサックスのソロとは違って)クリフォード・アダムスによるトロンボーンのソロがフィーチャーされていることもこの曲の特徴の一つで、いいアクセントになっていると思います。
ちなみに、この曲は2016年にヴェイパーウェイヴ(Web上の音楽コミュニティから生まれた音楽のジャンル)のアーティスト、glue70の “Casin” という曲でサンプリングされたことと、さらにその曲がエミネム ft. ネイト・ドッグの “Shake That”(2006年、最高位6位)とマッシュアップされたことでも再注目されています。
【リンク】
当時(1984/02/11)のチャート
クール&ザ・ギャングのヒット曲