2020/07/04付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週2位、最高位1位)
DaBaby(ダベイビー) feat. Roddy Ricch(ロディ・リッチ) – ROCKSTAR
今週もストリーミングを制し、返り咲きでトータル3週目の1位。
26日(金)にオフィシャル・ビデオがリリースされたこの曲、28日(日)に開催されたBET Awards(エンタテインメント業界で活躍しているマイノリティの人々に対して贈られるアメリカの文化賞)では “Black Lives Matter” バージョンがパフォーマンスされており、ビデオのリリース効果とあわせて来週もある曲(後述)の猛追をかわして1位をキープすると思われます。
2位 (先週4位、最高位1位)
Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン) feat. Beyonce(ビヨンセ) – Savage
2ランクアップ。
BET Awardsでは最優秀女性ヒップホップ・アーティストに選ばれたミーガン・ジー・スタリオンと特別賞を受賞したビヨンセのこの曲、”ROCKSTAR” と同様、こちらも同賞でパフォーマンスされており、ビルボードは「スペシャルなパフォーマンスでその1秒1秒が本当に本当に素晴らしかった」とちょっと大げさに絶賛しています。
Beyonce(ビヨンセ) – ヒット曲ベスト20
3位 (先週5位、最高位1位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Blinding Lights
こちらも2ランクアップでトップ3復帰。
引き続き(これで12週)ラジオを制しているこの曲、ザ・ウィークエンドのヒット曲ランキングでは “Can’t Feel My Face”(2015年、最高位1位)を抜いて3位に上昇しています。また、マックス・マーティンが書いた1位獲得曲のランキングでも5位に上昇しています。
【解説・和訳】 Blinding Lights / ザ・ウィークエンド
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20(更新)
マックス・マーティン – 1位獲得曲ベスト20+α(更新)
4位 (先週8位、最高位4位)
SAINt JHN(セント・ジョン) – Roses(Imanbek Remix)
4ランクアップで最高位更新。
タイトルに “Rose” が付く曲としてはチェインスモーカーズ ft. ローゼズの “Roses” の最高位(2016年、最高位6位)を上回ったこの曲、もし1位獲得すればシールの “Kiss From A Rose”(1995年)以来、約25年ぶり4曲目となりますが、現時点ではかなり厳しいと思われます。
5位 (先週7位、最高位5位)
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) & Quavo(クエヴォ) – Intentions
2ランクアップでトップ5復帰。
ジャスティン・ビーバーのヒット曲ランキングでは “10,000 Hours”(2019年、最高位4位)、”As Long As You Love Me”(2012年、最高位6位)を抜いて10位に上昇しているこの曲、最高位5位以下の曲としてはビルボード史上6曲目となる17週目のトップ10で、マッチボックス・トゥエンティの “Unwell”(2003年、最高位5位)、3ドアーズ・ダウンの “Here Without You”(2003年、最高位5位)、コルビー・キャレイの “Bubbly”(2007年、最高位5位)と並び3位タイとなっています。
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – ヒット曲ベスト20(更新)
6位 (先週6位、最高位1位)
Doja Cat(ドジャ・キャット) – Say So
6位変わらず。
1位獲得経験がない最も多くのトップ10ヒットを持つアーティストとなっていたニッキー・ミナージュが1位獲得しそうなドジャとのコラボを申し出たのではと噂されたこの曲のリミックス版、実際にはドジャ(のレーベル)側からの依頼で、ニッキーは「自粛&活動休止モードだったんで、どうしてもビートの感じをキャッチ出来なかったから」という理由で受けるかどうか迷っていたということが明らかになっています。ちなみに、ニッキーが1位獲得したことにより新たに1位獲得経験がない最も多くのトップ10ヒットを持つアーティストとなったのはブルース・スプリングスティーン。
7位 (先週3位、最高位3位)
Lil Baby(リル・ベイビー) – The Bigger Picture
4ランクダウン。
“Black Lives Matter” 関連曲で、ポリティカル(政治的な)ソングともプロテスト(抗議)ソングとも言われているこの曲、ローリングストーン誌はリル・ベイビーのラップを「読み聞かせスキル」と称えつつ、「これは抗議ソングではない。抗議によって形作られた曲だ」と評しています。
8位 (先週18位、最高位8位)
Jack Harlow(ジャック・ハーロウ) – WHATS POPPIN
ジャック・ハーロウは初のトップ10。
「調子はどう?(What’s Poppin’?)」という曲。ダベイビー、トリー・レーンズ&リル・ウェインによるリミックス版のリリース効果もあり急上昇。その効果がフルで寄与する来週は1位も狙えそうですが、現時点では一歩及ばずということになりそうです。
9位 (先週11位、最高位9位)
Lil Mosey(リル・モジー) – Blueberry Faygo
リル・モジーは初のトップ10。
Faygo(フェイゴ)は飲料製造会社でタイトルのブルーベリー・フェイゴはラッパーが好んで飲む怪しい飲み物(炭酸飲料と鎮痛や咳止め効果があるコデインを混ぜたもの)。歌詞はラップお決まりの内容になっていますがドラッグ信奉曲とも言われています。
10位 (先週13位、最高位1位)
Post Malone(ポスト・マローン) – Circles
5週ぶりにトップ10復帰。
トップ10滞在はこれで39週目。トップ10滞在記録の2位とは6週の差をつける断トツの1位でこの記録は長い長い(永遠に覚めない?)眠りに入るかもしれません。
【解説・和訳】 Circles / ポスト・マローン
以上、最新のトップ10紹介でした。