2019/07/06付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週1位、最高位1位)
Lil Nas X(リル・ナズ・X) feat. Billy Ray Cyrus(ビリー・レイ・サイラス) – Old Town Road
セールスとストリーミングを制して13週目の1位(史上12曲目)。
ビルボード史上まれに見る圧倒的な強さで1位街道を突っ走っているこの曲、その疾走中には週間ストリーミング数(歴代1位)をはじめとする様々な記録が生まれていますが、先週は1位を阻止した曲数が(”You Need To Calm Down” が加わって)6曲となり、パーシー・フェイスの “The Theme From A Summer Place”(1960年)とブライアン・アダムスの “(Everything I Do) I Do It for You”(1991年)の5曲を上回る新記録となっています。(そして今週はその記録をさらに更新)
【解説・和訳】 Old Town Road / リル・ナズ・X ft. ビリー・レイ・サイラス
2位 (先週-位、最高位2位)
Shawn Mendes(ショーン・メンデス) & Camila Cabello(カミラ・カベロ) – Senorita
ショーン・メンデスは5曲目、カミラ・カベロは4曲目のトップ10。
想像上のロマンスを歌ったスムース・ラテン・ラブソング。フックでは『あなたが私をセニョリータと呼ぶときが大好き。あなたなんか必要じゃないって振りができればいいのに。だけど触れるたびにオーラララ』と歌われています。
3位 (先週3位、最高位2位)
Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ) – bad guy
変わらずトップ3をキープ。
最近でもブリトニー・スピアーズやBTS(防弾少年団)のメンバーなど、「お気に入り」と公言するするセレブが増え続けているこの曲、日曜日(6/30)にイギリスで開催されたグラストンベリー(世界最大規模のロックフェス)では(ビリー・アイリッシュのステージの)オープニングとしてパフォーマンスされています。
4位 (先週4位、最高位3位)
Khalid(カリード) – Talk
今週もラジオを制して4位変わらず。
数週間前に急上昇して、その後も好調をキープしているこの曲、毎週のように行われているコンサート(先週はカリフォルニアで4回開催。この曲は全30曲中21曲目に披露)がその一因になっていると思われます。
5位 (先週5位、最高位2位)
Ed Sheeran(エド・シーラン) & Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – I Don’t Care
変わらずトップ5をキープ。
Spotifyでは1日の最多再生回数の記録を更新し、週間の再生回数でもリリース後ずっと1位(今週は2位)をキープしていたこの曲、そのSpotifyの再生回数も集計の大きな要素となっているストリーミングのチャートでは早くもトップ10陥落の危機に直面しており、エドがソングライターとして2015年から続けている年間トップ3ヒットの連続輩出の記録の更新は(少なくともこの曲では)かなり厳しいと思われます。
Ed Sheeran(エド・シーラン) – ヒット曲ベスト10
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – ヒット曲ベスト20(更新)
エド・シーランのソングライターとしての年間トップ3ヒット
2015年(年間2位):Thinking Out Loud
2016年(年間1位):Love Yourself
2017年(年間1位):Shape Of You
2018年(年間2位):Perfect
6位 (先週6位、最高位1位)
Jonas Brothers(ジョナス・ブラザーズ) – Sucker
6位変わらず。
初登場で1位を獲得した曲としては、アリアナ・グランデの “7 rings”、ゼインの “PILLOWTALK”、マライア・キャリーの “Fantasy” を抜いてトップ10滞在が17週(全34曲中7位タイ)となったこの曲、年間チャートでトップ10入りが期待できる水準には達していると思います。(ただ現時点での予想では11位)
【解説・和訳】 Sucker / ジョナス・ブラザーズ
7位 (先週9位、最高位7位)
DaBaby(ダベイビー) – Suge
2ランクアップで最高位更新。
先週までのトップ10内での動きはワンリパブリックの “Good Life”(2011年、最高位8位)と全く同じで9位→8位→8位→9位という「走行記録」を残しているこの曲(今週まで含めて同じ動きをした曲は過去になし)、ヴァース1には『彼女にはちょっとした「マイレージ」がある』というフレーズが出てきますが、この「マイレージ」は「走行記録(距離)=ポイント」のことではなく、「経験人数」という意味のスラングだそうです。
8位 (先週7位、最高位7位)
Drake(ドレイク) feat. Rick Ross(リック・ロス) – Money In The Grave
ワンランクダウンながら2週目のトップ10。
(ビデオでたくさん寄付をしていた)”God’s Plan” の時とは対照的に『俺のカネは墓に入れる』 とラップされているこの曲、これはラッパーの死後、残された遺産を使って行われているビジネスを快く思っておらず、『俺の場合はそうはさせん!』というメッセージではないか、と言われています。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20(更新)
9位 (先週10位、最高位9位)
Chris Brown(クリス・ブラウン) feat. Drake(ドレイク) – No Guidance
ワンランクアップで最高位復帰。
ドレイクはこれでトップ10に複数曲ランクインした週のトータルが55週となり、フィフティ・セントと並び1位タイ。クリス・ブラウンのヒット曲ランキングでは10位に上昇、トップ10入りしています。
Chris Brown(クリス・ブラウン) – ヒット曲ベスト20(更新)
10位 (先週8位、最高位2位)
Post Malone(ポスト・マローン) – Wow.
2ランクダウンながら今週もトップ10をキープ。
これでトップ10滞在は24週目(ビルボード史上31曲目)。これは1位を獲得していない曲としてはタッグ・チームの “Whoomp! (There It Is)”(1993年、最高位2位)と並ぶ7位タイの記録となっています。
以上、最新のトップ10紹介でした。