ビルボード Hot 100(2022/12/03付) トップ10解説

 
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2022/12/03付 ビルボード Hot 100 トップ10解説


1位右矢印 (先週1位、最高位1位)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – Anti-Hero
主要3チャート無冠ながら5週目の1位。
真夜中に浮かんでくるネガティブな考えに生活のリズムを乱され自分が死んだ後のことを考えてしまうというこの曲、これで初登場から5週連続で1位を獲得していますが、これはBTSの “Butter”(2021年、7週連続1位)以来、12曲目。ちなみに、初登場からの連続1位記録はマライア・キャリー&ボーイズ・II・メンの “One Sweet Day”(1995年)の16週。
【解説・和訳】 Anti-Hero / テイラー・スウィフト
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – ヒット曲ベスト20


2位右矢印 (先週2位、最高位2位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Rich Flex
今週もストリーミングを制して2位をキープ。
2部構成になっているこの曲、パート2は21サヴェージの “Red Opps”(2016年、最高位74位)で使用されていたフレーズをドレイクがラップするイントロで始まり、続いて “Sticks and stones, chrome on chrome” とラップされていますが、これは「棒や石で骨を折ることはあるが言葉では(骨を折ることは)ない」という格言の引用とクロムメッキの銃と銃弾(スラングでStickは銃、stoneは銃弾)のことで、「言葉で人をひるませることはできないが銃ならできる」という意味だと思われます。


3位右矢印 (先週3位、最高位1位)
Sam Smith(サム・スミス) & Kim Petras(キム・ペトラス) – Unholy
今週もラジオを制してトップ3をキープ。
この曲でトランスジェンダーとしては初となる1位を獲得したキム・ペトラス。娼婦の立場で歌われている彼女のパートは『ダディ、ダディ、欲しいならアディ(Addy)をちょうだい』という歌詞で始まりますが、「ダディ」はシュガー・ダディ(買春する客)のこと、ダディと韻を踏んだアディはAddress(場所の指定)とAdderall(アデロール、ドラッグ)のダブルミーニングだと思われます。


4位右矢印 (先週4位、最高位1位)
Steve Lacy(スティーヴ・レイシー) – Bad Habit
4位変わらず。
グラミーの最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にノミネートされたこの曲、トップ10の順位をもとにスコア化した一発ヒットランキングではサー・ミックス・ア・ロットの “Baby Got Back”(1992年、最高位1位)と並び今のところ15位となっています。


5位アップ (先週25位、最高位1位)
Mariah Carey(マライア・キャリー) – All I Want For Christmas Is You
20ランクアップでトップ10復帰。
アメリカで最も愛されているユールタイド(12月24日~1月6日までの期間、クリスマスの季節の意味)・ソング。クリスマスが近づくとトップ10に再登場&1位獲得は毎年恒例になっていますが、今年は昨年より1週間早いトップ10入りとなっています。
Mariah Carey(マライア・キャリー) – ヒット曲ベスト20


6位アップ (先週41位、最高位2位)
Brenda Lee(ブレンダ・リー) – Rockin’ Around The Christmas Tree
35ランクアップでトップ10復帰。
1958年にリリースされているクリスマスの定番ソング。現在77歳で12月11日が誕生日のブレンダ・リーはトップ10入りしたアーティストの最年長記録を更新しています。

7位右矢印 (先週7位、最高位7位)
David Guetta(デヴィッド・ゲッタ) & Bebe Rexha(ビービー・レクサ) – I’m Good (Blue)
変わらず7位。
先週American Music Awardsでパフォーマンスされたこの曲、その効果が期待されたもののセールスやストリーミングの伸びは継続せず、ビルボードによる評価でも全11パフォーマンス中最下位となっています。


8位右下矢印 (先週5位、最高位1位)
Harry Stayles(ハリー・スタイルズ) – As It Was
3ランクダウンでトップ5から陥落。
スティーヴ・レイシーの “Bad Habit” と同じくグラミーの最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞にノミネートされたこの曲、トップ10滞在記録では歴代9位に上昇し、トップ5滞在記録では同3位、トップ3滞在記録では同1位、1位滞在記録では同4位、そしてトップ10の順位をもとにスコア化したオールタイム・ランキングでは同3位となっていますが、2022年の年間チャートでは2位予想で1位獲得は(グラス・アニマルズの “Heat Waves” に阻まれて)厳しいと思われます。


9位アップ (先週50位、最高位3位)
Bobby Helms(ボビー・ヘルムズ) – Jingle Bell Rock
41ランクアップでトップ10復帰。
1957年にリリースされているロカビリーっぽいクリスマス・ソング。昨シーズンは5位→6位→4位→3位→4位というチャートアクションで5週トップ10に滞在。通算15週目のトップ10となっています。


10位アップ (先週-位、最高位4位)
Burl Ives(バール・アイヴス) – A Holly Jolly Christmas
同じく1シーズンぶりのトップ10再登場。
(ランクアップではなく)トップ10にいきなり再登場したクリスマス・ソングはこの曲が初めて。死後27年、生誕113年になるバール・アイヴスが1964年にリリースしたややカントリーっぽいクリスマスの定番ソング。昨シーズンは7位→5位→5位→4位→5位というチャートアクションで5週トップ10に滞在。通算12週目のトップ10となっています。

以上、最新のトップ10紹介でした。

 
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