ビルボード Hot 100(2022/11/26付) トップ10解説

 
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2022/11/26付 ビルボード Hot 100 トップ10解説


1位右矢印 (先週1位、最高位1位)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – Anti-Hero
今週もセールスを制して4週目の1位。
日曜日に開催されたAmerican Music Awards(以下、AMA)ではアーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞したテイラー。この曲のフックでは『ティータイムでみんなも納得してる』と歌われていますが、これは『俺があのビッチを有名にしてやった』というカニエ・ウェストの “Famous” の歌詞は実はテイラーの許可済みだったという証拠の録音電話をキム・カーダシアン(カニエの元妻)が暴露した直後にケンダル・ジェンナー(キムの異母姉妹)がインスタに投稿した “tea time”(「これで決着。お茶にしましょう」みたいなニュアンス)のことで、許可していないという言い分が否定されたことへの自虐だと思われます。
【解説・和訳】 Anti-Hero / テイラー・スウィフト
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – ヒット曲ベスト20

2位右矢印 (先週-位、最高位2位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Rich Flex
今週もストリーミングを制して2位をキープ。
ビデオがリリースされたものの効果は限定的で今週も1位獲得ならず。パート1とパート2の2部構成になっていますが、パート1はドレイクが『トウェンティワン、俺のためにリッチ・フレックスなこと(裕福自慢)をかましてくれ』とリクエストして、21サヴェージがそれに応えるという歌詞になっています。


3位右上矢印 (先週10位、最高位1位)
Sam Smith(サム・スミス) & Kim Petras(キム・ペトラス) – Unholy
ラジオを制して7ランクアップでトップ3復帰。
冒頭で『ボディ・ショップで何かアンホーリーな(神聖ではない、ふしだらな)ことをして』と歌われていこの曲、この「ボディ・ショップ」とはロサンゼルスにある事実上の売春クラブになっているヌード・ストリップ・クラブのことだそうです。


4位アップ (先週13位、最高位1位)
Steve Lacy(スティーヴ・レイシー) – Bad Habit
9ランクアップでトップ10復帰。
おそらく言いたいことが言えないという意味で『舌を噛むのが僕の悪い癖』と歌われている曲。プロデューサーとしても(同郷の)ケンドリック・ラマーなど多くのアーティストを手がけているスティーヴ・レイシーの自身初のヒットで、トップ10の順位をもとにスコア化した一発ヒットランキング(※トップ20ヒットを1曲しか持たないアーティストの曲が対象)ではルーカス・グラハムの “7 Years”(2016年、最高位2位)など4曲を抜いて今のところ19位となっています。


5位アップ (先週17位、最高位1位)
Harry Stayles(ハリー・スタイルズ) – As It Was
12ランクアップでトップ10復帰。
時代や物事の変化および過去の自分を受け入れることがテーマになっている曲で、アーハの “Take On Me”(※こちらも「受け入れ」がテーマ)を想起させる快活なサウンドによって内省的でやや重たい歌詞の印象を和らげている(※勝手にジャネット・ジャクソンの “Together Again” 方式と呼んでいます)シンセ・ポップ。


6位右下矢印 (先週3位、最高位3位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Major Distribution
3ランクダウンでトップ5から陥落。
レーベルとの契約金を自慢しているこの曲、ドレイクは自身の5億ドルの契約金に言及しつつバッド・バニーを、21サヴェージはハリー・スタイルズを “in-Zayn”(インゼイン:ハリーの元同僚ゼインと非常識という意味のインセインの合成語)というワードを使いつつ “It’s a robbery”(それは強盗だ=その契約は強盗レベルの大金ゲットだ)と称賛しています。

7位アップ (先週20位、最高位7位)
David Guetta(デヴィッド・ゲッタ) & Bebe Rexha(ビービー・レクサ) – I’m Good (Blue)
13ランクアップでトップ10入り。
デヴィッド・ゲッタは7曲目、ビービー・レクサは4曲目のトップ10。
エッフェル65の “Blue (Da Ba Dee)”(2000年、最高位6位)がサンプリングされている曲で、イギリスでは1位を獲得した幸福感に満ちたクラブ・チューン。日曜日にAMAでライブ初公開されており、来週はその効果が期待できそうです。


8位アップ (先週22位、最高位2位)
Rihanna(リアーナ) – Lift Me Up
14ランクアップでトップ10復帰。
亡くなった愛する人(2020年に亡くなった俳優チャドウィック・ボーズマン)との再会についての曲で、人生の過酷な現実からの救いを求めて『私を持ち上げて。私を落ち着かせて。安心できる場所(天国)に近づけて』と歌われているエモーショナルなR&Bバラード。


9位右下矢印 (先週5位、最高位5位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Spin Bout U
4ランクダウンでトップ5から陥落。
『アメリカン・エクスプレス(カード)で何でも買ってやる』、『電話一本でヴォーグ誌に載せてやる』といった普通の男とは違う恋愛テクニック(?)の歌詞の中に女性の人工妊娠中絶の権利を擁護する歌詞も忍び込ませている社会派的な一面も持つ曲。タイトルも「(俺の女に)寄ってくる男を振り払う」という意味の裏に「あなたに関するウソ」という意味を忍び込ませているようです。

10位右下矢印 (先週4位、最高位4位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – On BS
6ランクダウンでこちらもトップ5から陥落。
人気TV番組「サタデー・ナイト・ライブ」でパフォーマンスされたこの曲、ドレイクはヴァース2で『20にすべきか、割って10(テン)にすべきか、それとも10を割って5にすべきか。もしそれがliveしたら(生き返ったら)また割って5(five)にしてやる 』とラップしていますが、これは前のヴァースに出てきたアデロール(※20mgの錠剤ドラッグ)を分割するという意味のほか、分割によってローマ数字で10を意味するXを複数作り出すことによって遠回しに(ドレイクの母親をディスった&銃撃により亡くなった)XXXテンタシオンのことを指していて、「もし彼が生き返ったとしたらまた○○してやる」という意味のようです。

以上、最新のトップ10紹介でした。

 
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