ビルボード Hot 100(2022/12/31付) トップ10解説

 
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2022/12/31付 ビルボード Hot 100 トップ10解説


1位右矢印 (先週1位、最高位1位)
Mariah Carey(マライア・キャリー) – All I Want For Christmas Is You
セールスとストリーミングを制してトータル11週目の1位。
ホームムービーのようになっているビデオの撮影時のことは『髪が凍って凍えそうだったのを昨日のことのように覚えている』と語っているマライアのこの曲、これでトップ3滞在週のランキングでは自身の “We Belong Together”(2005年、最高位1位)などと並び18週で11位、またトップ10の順位をもとにスコア化したオールタイム・ランキングでは32位→23位に上昇しています。
Mariah Carey(マライア・キャリー) – ヒット曲ベスト20


2位右矢印 (先週2位、最高位2位)
Brenda Lee(ブレンダ・リー) – Rockin’ Around The Christmas Tree
2位変わらず。
ジャンル的にはロカビリー(ロックンロールの初期のスタイル)に分類されているこの曲、1位を獲得していない曲としてはフィーチャー ft. ドレイクの “Life Is Good”(2020年)以来、ビルボード史上12曲目のトータル8週目の2位となっていますが、来週は1位獲得の可能性が出てきています。
(※クリスマス・ソングのセールスとラジオはストリーミングに比べて25日過ぎに減る割合が大きいことからチャートポイントに占めるストリーミングの比率がより高いこの曲のほうが有利。そのストリーミングのSpotifyでは来週1/7付の集計期間である12/23から7日間の現在まででマライアに30%ほどの差をつけてリードしており、今週の1位との差は逆転可能)


3位右上矢印 (先週4位、最高位3位)
Bobby Helms(ボビー・ヘルムズ) – Jingle Bell Rock
ワンランクアップで最高位復帰。
トップ10復帰間隔はHot 100以前(1955/01/01~1958/07/26)の記録も含めるとプリンスの “When Doves Cry”(1984年、最高位1位)が記録した1654週(約32年)を大きく上回る3182週(約61年)というダントツの最長記録となるこの曲、これで3位滞在はトータル5週目で最高位が3位の曲としてはビルボード史上25曲目となっています。ちなみに、最高位3位の曲の3位滞在最長記録はリアル・マッコイの “Another Night”(1994年)で11週。


4位右上矢印 (先週5位、最高位4位)
Burl Ives(バール・アイヴス) – A Holly Jolly Christmas
ワンランクアップでこちらも最高位復帰。
白いひげを生やし体重130キロ超で俳優としても活躍していたため、まるでサンタのような俳優によるクリスマス・ソングと評されているバール・アイヴスのこの曲、(今のところ)トップ3に入れなかった曲としてはビルボード史上25曲目のトップ10滞在16週となっています。ちなみにトップ3に入れなかった曲のトップ10滞在最長記録はクリス・ブラウン ft. ドレイクの “No Guidance”(2019年、最高位5位)で23週。


5位右上矢印 (先週6位、最高位5位)
Wham!(ワム!) – Last Christmas
ワンランクアップで初のトップ5入り。
クリスマス・ソングとしてだけではなく、80年代のブリティッシュ・シンセ・ポップとしても「最高峰」と評されているこの曲、初めて聴く若年層からも支持されているようで、UKチャートでは今年2年ぶり2度目となる1位を獲得。今週はストリーミングの伸び率1位でチャートポイントの伸び率もトップとなるなど人気が高まっています。


6位右上矢印 (先週8位、最高位5位)
Andy Williams(アンディ・ウィリアムス) – It’s The Most Wonderful Time Of The Year
2ランクアップ。
ビクトリア朝のクリスマスの伝統として語られていたという「恐ろしい怪談(scary ghost stories)」というフレーズが時代錯誤で歌詞だけ見るとクリスマスではなくハロウィンをイメージさせられるという批評もあるこの曲、先週11位から8位に再上昇したことによりトップ10復帰は今シーズン2回目でトータル5回となり、今週1位と3位の曲が持つトップ10復帰最多記録に並んでいます。


7位右下矢印 (先週3位、最高位3位)
SZA(シザ) – Kill Bill
4ランクダウンでトップ3&トップ5から陥落。
復讐がテーマになっていて、孤独よりも刑務所を選択するという曲。ヴァース1では『あなたが幸せになるのを見るのは嫌。もし私がドライブしていなければ』と歌われていますが、この後半部分の不可解な歌詞は映画「キル・ビル Vol.2」に出てくる元カレの現在の恋人の名前「(エル・)ドライブ」と掛けているだけではないかと思います。


8位アップ (先週11位、最高位6位)
Jose Feliciano(ホセ・フェリシアーノ) – Feliz Navidad
3ランクアップで1シーズンぶりにトップ10復帰。
ヴァースはシンプルな英語、フックはスペイン語で歌われているクリスマス・ソングでタイトルの「フェリス・ナビダッド」とは「メリー・クリスマス」という意味。リリース50周年の特需があった2020年のシーズンに最高位6位を記録していますが、昨シーズンは8位→10位というチャートアクションで2週トップ10に滞在。通算6週目のトップ10となっています。


9位右下矢印 (先週7位、最高位1位)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – Anti-Hero
ラジオを制したものの2ランクダウン。
シンセ・ベースのサウンドとキャッチーなリズム、ダイレクトな歌詞、そしてテイラーのヴォーカル・トーンが高く評価されているこの曲、クリスマス・ソングが消える再来週以降はライバルになりそうな曲と比べて堅調なため1位に返り咲く可能性があると思います。
【解説・和訳】 Anti-Hero / テイラー・スウィフト
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – ヒット曲ベスト20


10位右下矢印 (先週9位、最高位1位)
Sam Smith(サム・スミス) & Kim Petras(キム・ペトラス) – Unholy
ワンランクダウン。
来年2月5日に開催されるグラミー賞ではベスト・ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンスにノミネートされているこの曲、ロングヒットの条件にもなっているラジオチャートでの好調は継続しており、1位からは陥落したもののエアプレイ回数は増やしています。

以上、最新のトップ10紹介でした。

 
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