ビルボード Hot 100(2022/11/19付) トップ10解説

 
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2022/11/19付 ビルボード Hot 100 トップ10解説

※今週から新集計年度となり、ビルボードのチャートポイントの算出方法が変わっています。


1位右矢印 (先週1位、最高位1位)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – Anti-Hero
セールスを制して3週目の1位。
7つの新たなリミックスのリリースにより自身の “Look What You Made Me Do”(2017年、最高位1位)以来となる週間30万以上のセールスを記録。カーディ・B ft. ミーガン・ジー・スタリオンの “WAP” を上回るチャートポイントを獲得し、2020年代最強1位の称号も獲得。
「私の人生が手に負えないサイズになったことに苦悩している」と語っているテイラーの自己嫌悪がテーマになっている曲で、フックでは『いつもアンチヒーローを応援するなんて疲れるに決まっている』と歌われています。
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – ヒット曲ベスト20(更新)

2位アップ (先週-位、最高位2位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Rich Flex
ストリーミングを制して2位初登場。
先々週の “Anti-Hero” に次ぐ今年2番目となるストリーミング数を記録し、通常であればダントツ1位レベルのチャートポイントながら1位獲得ならず。
タイトルは「リッチであることを正確に自慢する」という意味で、裕福なライフスタイルについてラップしている曲。ミーガン・ジー・スタリオンの “Savage”(2020年、最高位1位)やT.I.の “24’s”(2003年、最高位78位)など数曲がサンプリングされており、ソングライターにはドレイクと21サヴェージの他12名がクレジットされています。

3位アップ (先週-位、最高位3位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Major Distribution
3位初登場。
タイトルの「メジャー・ディストリビューション」とは主となる配給会社(レーベル)のことでユニバーサル・ミュージックとの契約を自慢している曲。21サヴェージのパートでは自分のセールスをハリー・スタイルズと比較しています。

4位アップ (先週-位、最高位4位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – On BS
4位初登場。
タイトルの”On BS” のBSはBullshit(牛の糞=たわごと、でたらめ)の略。自分たちをフィーチャーしなければ売れない半人前のラッパーたちを軽蔑している曲。

5位アップ (先週-位、最高位5位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Spin Bout U
5位初登場。
アメリカの中間選挙でも争点になった人口妊娠中絶とその権利を却下した最高裁の決定について言及している曲。タイトルは「あなたに関するウソ」という感じの意味で、ドレイクは自分のパートで『学生時代に女とやったこともないヤツが女性の権利について法律を作ってやがる』とラップしています。

6位アップ (先週-位、最高位6位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) feat. Travis Scott(トラヴィス・スコット) – Pussy & Millions
6位初登場。
トラヴィス・スコットにとっては11曲目のトップ10。
セックスするにも金がかかるという曲で、『億万長者のスーパースターは本当の愛を見つけることが難しい』とラップされています。

7位アップ (先週-位、最高位7位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Privileged Rappers
7位初登場。
タイトルの「プリヴィレッジド・ラッパーズ」とは、下積みや苦労を知らず大物アーティストをフィーチャーしてすぐにデビューさせてもらえる「特権が与えられた(ぽっと出の)ラッパーたち」という意味で、ドレイクはフックで『何が必要なのか(※リスペクトのこと?)もわからないラッパーは嫌いだ』とラップしています。

8位アップ (先週-位、最高位8位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Circo Loco
8位初登場。
2位~7位の曲と合わせて21サヴェージは13曲目のトップ10。
タイトルの「シルコロコ」とはスペインのイビザ島で開催されるダンスパーティのこと。ダフト・パンクの “One More Time”(2000年、最高位61位)をサンプリングしたサウンドと、ミーガン・ジー・スタリオンがトーリー・レーンズに足を撃たれた事件について、『あのビッチは撃たれたことについてウソをついている』という歌詞が印象的な曲。ちなみにこの歌詞についてミーガンは「いつから女性が撃たれることネタにするのがクールになったの?」とツイートしています。

9位アップ (先週-位、最高位9位)
Drake(ドレイク) – BackOutsideBoyz
9位初登場。
2位~8位の曲と合わせてドレイクは67曲目(歴代1位の記録更新)のトップ10。
ドレイクの “Hotline Bling”(2015年、最高位2位)が “Broccoli”(2016年、最高位5位)のヒットで有名になったDRAMの “Cha Cha” の盗作だという主張によりできた二人の確執が再燃している曲。タイトルはおそらくDRAMに暴行したドレイクのボディーガードか背後にいるギャングの通称。


10位右下矢印 (先週3位、最高位1位)
Sam Smith(サム・スミス) & Kim Petras(キム・ペトラス) – Unholy
ラジオの伸び率トップながら7ランクダウン。
夫の不貞がテーマになっている曲で、アラビア音階と聖歌隊、そして重厚なシンセのサウンドが特徴的なEDMっぽいポップ・ソング。サム・スミスのパートは不倫夫の知り合い、トランスジェンダーのキム・ペトラスのパートはセックスワーカーという立場で歌われています。

以上、最新のトップ10紹介でした。

 
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