2020/05/09付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週-位、最高位1位)
Travis Scott(トラヴィス・スコット) & Kid Cudi(キッド・カディ) – THE SCOTTS
トラヴィス・スコットは3曲目、キッド・カディは初の1位。
セールスとストリーミングを制してビルボード史上37曲目となる初登場1位。人気オンラインゲーム「フォートナイト」とのコラボイベントで公開された曲で、ゲームの世界でも影響力を持つ二人のスコット(キッド・カディの本名はスコット・メスカディ)のことが『ザ・スコッツ(二人のスコット)をそこに放てば俺たちが偵察を駆け巡らせる。ギャングはコントロールできないぜ』とラップされています。
2位 (先週1位、最高位1位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Blinding Lights
ワンランクダウン。
ビルボード史上初となる初登場1位を獲得した2曲に2回1位を陥落させられたこの曲、マックス・マーティンが書いた1位獲得曲のランキングではピンクの “Raise Your Glass”(2010年)を抜いて17位に上昇しています。
【解説・和訳】 Blinding Lights / ザ・ウィークエンド
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20
マックス・マーティン – 1位獲得曲ベスト20+α(更新)
3位 (先週2位、最高位1位)
Drake(ドレイク) – Toosie Slide
こちらもワンランクダウン。
“Toosie” とはドレイクがこの曲のサビを送ってダンスを考えてもらい、そのダンス動画をAyo&Teo という兄弟デュオとともに「新しいダンスムーブ、#toosieslide。ドレイクの未発表曲」というキャプション付きで拡散してもらったインフルエンサーの名前だということが判明。先週コメントしたフォーブス誌による酷評は、ドレイクがこうした手法を用いたことが背景になっているようです。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20(更新)
4位 (先週14位、最高位4位)
Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン) – Savage
ミーガン・ジー・スタリオンは初のトップ10。
男を引きつけてしまう自分の魅力についてちょっと傲慢にラップしている曲。ビヨンセをフィーチャーしたリミックス版のリリース効果で急上昇。来週はオリジナル版よりリミックス版のポイントの方が大きくなる見込みで、ビヨンセの名前がクレジットされて1位獲得すると思われます。
5位 (先週3位、最高位1位)
Roddy Ricch(ロディ・リッチ) – The Box
2ランクダウンでトップ3から陥落。
しかしながらトップ5はこれでビルボード史上40曲目(30位タイ)となる18週。また、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではロビン・シック ft. T.I. + ファレルの “Blurred Lines”(2013年、最高位1位)と並び59位→46位に上昇しています。
【解説・和訳】 The Box / ロディ・リッチ
6位 (先週5位、最高位5位)
Doja Cat(ドジャ・キャット) – Say So
ワンランクダウンでトップ5から陥落。
しかしながら来週はニッキー・ミナージュをフィーチャーしたリミックス版のリリース効果で最高位更新は確実で、(現時点では2位予想ですが)1位争いに加わると思われます。
7位 (先週4位、最高位2位)
Dua Lipa(デュア・リパ) – Don’t Start Now
3ランクダウン。
完全に「外出自粛ソング」としての地位を確立したこの曲、今年の年間チャートではまだトップ10入りの地位は確立できておらず、現時点では6位予想となっています。
【解説・和訳】 Don’t Start Now / デュア・リパ
8位 (先週6位、最高位1位)
Post Malone(ポスト・マローン) – Circles
2ランクダウンながら今週もトップ10はキープ。
これでトップ10滞在は記録更新となる35週目。ポスト・マローンの連続トップ10滞在週も35週ですが、もし空白の2019/09/07付がなければケイティ・ペリーの69週連続トップ10滞在という歴代1位の記録を上回る72週連続となっています。
【解説・和訳】 Circles / ポスト・マローン
9位 (先週8位、最高位8位)
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) & Quavo(クエヴォ) – Intentions
ワンランクダウン。
最高位8位ながら10週目のトップ10。これは今のところ(最高位を更新しなければ)メーガン・トレイナー ft. ジョン・レジェンドの “Like I’m Gonna Lose You”(2015年、最高位8位)と並び1位タイ(史上2曲目)。またジャスティン・ビーバーは年間最多トップ10滞在週争いでポスト・マローン、ロディ・リッチ、ドレイクと並んで引き続きトップに立っています。(現在、年間19週滞在)
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – ヒット曲ベスト20
10位 (先週7位、最高位6位)
Harry Styles(ハリー・スタイルズ) – Adore You
3ランクダウン。
恋人に対して完全かつ絶対的な献身を誓うこの曲、トップ10滞在は今週限りになると思われます。
来週は前述のとおり、ミーガン・ジー・スタリオン ft. ビヨンセの “Savage” が1位獲得の有力候補で、ドジャ・キャット ft. ニッキー・ミナージュの “Say So” もチャンスあり。また、ドレイク ft. プレイボーイ・カルティの “Pain 1993” がトップ10入りするかもしれません。
以上、最新のトップ10紹介でした。