2020/05/23付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週-位、最高位1位)
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) & Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – Stuck with U
アリアナ・グランデは3曲目、ジャスティン・ビーバーは6曲目の1位。
フィジカルとデジタルのバンドル商法でセールスを制してビルボード史上38曲目となる初登場1位(アリアナ、ジャスティンともに初登場1位は3曲目)。「恋人と一緒にステイホームしよう」という曲で、ヴァース1では『出歩いたりしない。一度やったらアウト。おかしくなっても気にしないで。でもあなたは私をがっかりさせないでしょう?』と歌われています。なお、この曲の収益は新型コロナウィルス感染者に対して最前線で治療にあたっている医療従事者などを支援する基金に寄付されるそうです。
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – ヒット曲ベスト20(更新)
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – ヒット曲ベスト20(更新)
2位 (先週1位、最高位1位)
Doja Cat(ドジャ・キャット) feat. Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ) – Say So
1週で1位から陥落。
ニッキー・ミナージュにとっては109曲目のチャートインで初の1位獲得となったこの曲、そのニッキーのパートでは『クスリの話じゃないわよ。でも私は彼を怒らせちゃったの(※「怒らせる」の “more a fiend” が鎮痛剤のモルヒネの発音と似ている)。私がクッキー(女性器)を隔離しちゃったから』と新型コロナと下ネタを掛け合わせたフレーズがラップされています。
3位 (先週-位、最高位3位)
6ix9ine(シックスナイン) – GOOBA
シックスナインは2曲目のトップ10。
ストリーミングを制して初登場3位。新型コロナの影響で(ぜんそく持ちのため)出所中のシックスナインが自身の24歳の誕生日(5/8)にリリース。自分の刑期を短縮するために売った(密告した)仲間をさらにののしりまくっている曲。タイトルの「グーバ」とは「まぬけ」のような意味。ヴァース1では『ヤツらは病気。熱がある。コロナの前から』とラップされています。
4位 (先週3位、最高位1位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Blinding Lights
今週もラジオは制したもののワンランクダウン。
アドレナリンが湧き出すビートとシンセのサウンドが特徴的なこの曲、ザ・ウィークエンドのヒット曲ランキングでは “Earned It (Fifty Shades Of Grey)”(2015年、最高位3位)を抜いて4位に上昇しています。また、マックス・マーティンが書いた1位獲得曲のランキングでも16位→12位に上昇しています。
【解説・和訳】 Blinding Lights / ザ・ウィークエンド
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20(更新)
マックス・マーティン – 1位獲得曲ベスト20+α(更新)
5位 (先週2位、最高位2位)
Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン) feat. Beyonce(ビヨンセ) – Savage
ラジオで伸び率トップながら3ランクダウン。
自分のパーソナリティがテーマになっているこの曲、フックでは『私はサヴェージ(獰猛:飼い慣らされない)、クラッシー(上流階級)、ブージー(ブルジョワジー:中流階級)、ラチェット(みじめな:下流階級)。サッシー(生意気)、ムーディー(気分屋)、ナスティー(エロい)』とラップされています。
Beyonce(ビヨンセ) – ヒット曲ベスト20(更新)
6位 (先週4位、最高位1位)
Drake(ドレイク) – Toosie Slide
2ランクダウンでトップ5から陥落。
評論家からは不評を買っているこの曲、再生回数が1億回突破目前となっているビデオで披露されているダンスについては「DJ・キャスパーの “Cha Cha Slide” の2020年バージョン」と言われています。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20
7位 (先週5位、最高位1位)
Roddy Ricch(ロディ・リッチ) – The Box
こちらも2ランクダウンでトップ5から陥落。
これでトップ10滞在は20週目。そしてHot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではリアーナ ft. カルヴィン・ハリスの “We Found Love”(2011年、最高位1位)と並び34位→29位に上昇しています。
【解説・和訳】 The Box / ロディ・リッチ
8位 (先週9位、最高位8位)
DaBaby(ダベイビー) feat. Roddy Ricch(ロディ・リッチ) – ROCKSTAR
ワンランクアップで最高位更新。
2018年に家族でウォルマートに買い物に行った際、銃で脅されたためにその男(19歳)を射殺しているダベイビー。この曲ではそのことについてもラップされています。
9位 (先週6位、最高位2位)
Dua Lipa(デュア・リパ) – Don’t Start Now
3ランクダウン。
トップ10はこれで16週目。こちらの「ステイホーム・ソング」は自粛解除の動きにあわせてラジオでのオンエア特需が減少。来週もトップ10にステイできるかどうか微妙になっています。
【解説・和訳】 Don’t Start Now / デュア・リパ
10位 (先週8位、最高位1位)
Post Malone(ポスト・マローン) – Circles
2ランクダウンながら今週もトップ10をキープ。
ビリー・アイリッシュの “bad guy” 以来、ビルボード史上9曲目となるトップ10内すべての順位にランクイン。トップ10滞在はこれで記録更新となる37週目で、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではエド・シーランの “Shape Of You”(2017年、最高位1位)と並び3位に上昇しています。
【解説・和訳】 Circles / ポスト・マローン
来週は、”Stuck with U” の1位陥落がほぼ確実(トップ10から陥落の可能性もあり)。1位獲得曲は4曲連続で1週で陥落ということなりそうです。
以上、最新のトップ10紹介でした。