1967年の今日(3月18日)、1位を獲得した The Beatles(ザ・ビートルズ)の “Penny Lane” について解説しました。
都会的な日常生活の空しさが歌われている牧歌的な曲で、ピッコロ・トランペットのソロが印象的なプログレッシブ・ポップ。
ジョン・レノンが幼少の頃住んでいたリバプール郊外の一画の名称で、ソングライターのポール・マッカートニーにとっても想い出の場所という「ペニー・レイン」がタイトルになっているこの曲は、都会的な日常生活がいろんなキャラクターで描かれており、
ヴァース1は「自分が刈った頭を全部写真にして飾っておくことが趣味の床屋さん」
ヴァース2は「どしゃ降りでも雨カッパを着ないため子供たちに笑われる銀行家」
ヴァース3は「女王の肖像画を持ち歩いている消防夫」
ヴァース4は「お盆でケシの花を売っているかわいい看護婦さん」が主人公で、
ヴァース5では「銀行家が順番待ちしている床屋に消防夫が(どしゃ降りから)逃げ込んでくる」という内容になっています。
また、フック(およびブリッジ)は
ペニー・レインは僕の目と耳に焼き付いている
というフレーズで始まり、歌い手(兼語り手)がヴァースのストーリーから一瞬離れて現在の心境を語りつつ、そこからまた聴き手を想い出の世界に引き戻すかのように
and meanwhile back(さて、それはさておき)
というフレーズで締めくくる(そして次のヴァースにつなげる)、という構成になっています。
ちなみに、ブリッジに出てくる
夏の 4匹の魚とフィンガー・パイ
の「フィンガー・パイ」とは少年時代に誰もが経験する(?)万引きとマスターベーションを意味するスラングで、ポールの個人的な想い出だそうです。
知性的な曲の構造が表面的な魅力で覆い隠されている、今なお色あせない名曲だと思います。