2023/01/28付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週-位、最高位1位)
Miley Cyrus(マイリー・サイラス) – Flowers
セールスとストリーミングを制し、圧倒的な強さで初登場1位。
マイリー・サイラスは11曲目のトップ10で2曲目の1位。マイリーの元夫が一度目の婚約を破棄されたときに捧げたとされるブルーノ・マーズの “When I Was Your Man”(2013年、最高位1位)へのアンサーソングのようになっている曲。”When I Was Your Man” の『君に花を贈るべきだった。その手を握ってもっと君と一緒に過ごすべきだった』という歌詞に対して、この曲では『花は自分で買える』、『私は自分の手を握って踊ることができる』、『私はあなたよりも私を愛することができる』などと歌われています。
2位 (先週2位、最高位2位)
SZA(シザ) – Kill Bill
セールスとストリーミングの伸び率トップながら2位変わらず。
テーマになっている「元恋人への(歪んだ?)復讐心」を象徴するかのようにデチューンした(離調した、調子がずれた)イントロで始まるこの曲、先週は2日分だけだったビデオのリリース効果が今週はフルに寄与してチャートポイントが20%以上アップしたにも関わらず、思わぬ大差をつけられて今週も1位獲得を逃してしまい、調子を狂わされた格好になっています。
3位 (先週1位、最高位1位)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – Anti-Hero
今週もラジオは制したものの2ランクダウンで1位から陥落。
悲劇と喜劇を融合させた悲喜劇のような自虐ネタ満載のこの曲、テイラー・スウィフトのヒット曲ランキングでは “I Knew You Were Trouble.”(2013年、最高位2位)と “Bad Blood”(2015年、最高位1位)を抜いて3位に上昇しています。
【解説・和訳】 Anti-Hero / テイラー・スウィフト
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – ヒット曲ベスト20(更新)
4位 (先週5位、最高位4位)
Metro Boomin(メトロ・ブーミン), 21 Savage(21サヴェージ) & The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Creepin’
今週もラジオの伸び率トップでワンランクアップして最高位更新。
マリオ・ワイナンスの “I Don’t Wanna Know” の新バージョンという位置付けのこの曲、ザ・ウィークエンドのヒット曲ランキングでは “Heartless”(2019年、最高位1位)を抜いて8位に上昇しています。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20(更新)
5位 (先週3位、最高位1位)
Sam Smith(サム・スミス) & Kim Petras(キム・ペトラス) – Unholy
2ランクダウン。
21日(土)に放送された人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」でパフォーマンスされたこの曲、しかしながら現時点での反響は再上昇が期待できるほどではなく、その効果は限定的となりそうです。
6位 (先週4位、最高位4位)
David Guetta(デヴィッド・ゲッタ) & Bebe Rexha(ビービー・レクサ) – I’m Good (Blue)
2ランクダウンでトップ5から陥落。
スペインのイビザ島で撮影されたビデオではビービー・レクサの青いラテックスのキャット・スーツ姿が印象的なこの曲、20日で値下げ期間は終了しましたが、ラジオでは1位を狙えるレベルでの好調が続いていることもあり、トップ10をキープする力はまだ十分に残っています。
7位 (先週6位、最高位6位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Die For You
ワンランクダウン。
最初の数秒でスキップされないようにイントロを短くしてサビを頭に持ってきたり、再生回数が稼げるように長さを3分未満に抑えたりする曲が増えている中、イントロだけで30秒、全体で4分20秒という長さになっているこの曲、これで2023年の年間チャート入りが確実となる水準に達しています。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20
8位 (先週7位、最高位2位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Rich Flex
ワンランクダウン。
最高位2位の曲の最多ホルダー(8曲)となっているドレイクのこの曲、これで2023年の年間チャートで50位以内が見込める水準に達しています。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20
9位 (先週-位、最高位9位)
Bizarrap(ビザラップ) & Shakira(シャキーラ) – Bzrp Music Sessions, Vol. 53
9位初登場。
ビザラップは初、シャキーラは5曲目のトップ10。シャキーラの元夫でサッカー選手だったジェラール・ピケをディスっているスペイン語の曲。フックでは『オオカミのような私にあなたのような男はふさわしくない』と歌われています。
10位 (先週8位、最高位1位)
Harry Stayles(ハリー・スタイルズ) – As It Was
こちらも2ランクダウン。
過去の経験からくる不安に苛まれながらも未来へ進もうとする姿が描かれているこの曲、トップ10滞在はトータル35週、今集計年度では5週目となっており、2023年の年間チャートでもランクインが確実となる水準に達しています。
以上、最新のトップ10紹介でした。