ビルボード Hot 100(2023/01/21付) トップ10解説

 
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2023/01/21付 ビルボード Hot 100 トップ10解説


1位右矢印 (先週1位、最高位1位)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – Anti-Hero
今週もセールスとラジオを制して合計8週目の1位。
8週1位はテイラーの自己最長。先週(1/12)、ロンドンでのコンサートでアコースティック・ギターを手に取り観客に向かって『ライブでは今まで一度も披露したことのない曲をやろうと考えてたんだけど、歌ってもいいかしら』と問いかけてパフォーマンスされたこの曲、テイラー・スウィフトのヒット曲ランキングでは “You Belong With Me”(2009年、最高位2位)と “We Are Never Ever Getting Back Together”(2012年、最高位1位)を抜いて5位に上昇しています。
【解説・和訳】 Anti-Hero / テイラー・スウィフト
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – ヒット曲ベスト20(更新)

2位右上矢印 (先週3位、最高位2位)
SZA(シザ) – Kill Bill
今週もストリーミングを制しワンランクアップで最高位更新。
先週(1/11)、オフィシャル・ビデオがリリースされたこともありストリーミングは伸び率トップ、そしてラジオも742%と大幅アップとなったものの僅差で1位には届かず。映画「キル・ビル」にインスパイアされたこのビデオのリリース効果がフルに寄与する来週はシザにとって初の1位獲得を賭けた争いとなりますが、相手となるのは…(後述)


3位右下矢印 (先週2位、最高位1位)
Sam Smith(サム・スミス) & Kim Petras(キム・ペトラス) – Unholy
ワンランクダウン。
2/11に開催されるブリット賞(イギリス版グラミー)ではソング・オブ・ザ・イヤーにノミネートされ、その舞台でパフォーマンスされることも決まったこの曲、これで15週目となったトップ10はまだ十分にキープする余力がありそうですが上位の曲との差は広がっており、1位返り咲きの可能性はほぼ無くなったと言っていいかもしれません。


4位右矢印 (先週4位、最高位4位)
David Guetta(デヴィッド・ゲッタ) & Bebe Rexha(ビービー・レクサ) – I’m Good (Blue)
4位変わらず。
ブリット賞ではインターナショナル・ソング・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたこの曲、これで2023年の年間チャートにランクインが確実となる水準に達しています。


5位右上矢印 (先週6位、最高位5位)
Metro Boomin(メトロ・ブーミン), 21 Savage(21サヴェージ) & The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Creepin’
ワンランクアップで最高位復帰。
21サヴェージのパートでは手錠(ハンドカフ)の略語かつスラングで「親密な関係」という意味の「カフ」というワードを使って『(警察が手錠をかけている)管理区で俺は女と親密な関係になっていた』とラップされているこの曲、ラジオとの関係も良好でエアプレイの伸び率トップ、チャートポイントの伸び率も “Kill Bill” と同等のトップクラスで、最も勢いのある曲となっています。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20(更新)


6位右上矢印 (先週8位、最高位6位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Die For You
2ランクアップで最高位更新。
人気TVコメディ・ドラマ「インセキュア(シーズン2)」で使用されたこともヒットの一因になっているこの曲、ザ・ウィークエンドのヒット曲ランキングでは “Call Out My Name”(2018年、最高位4位)など3曲を抜いて12位に上昇しています。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20(更新)


7位右下矢印 (先週5位、最高位2位)
Drake(ドレイク) & 21 Savatge(21サヴェージ) – Rich Flex
2ランクダウンでトップ5をキープできず。
「見せびらかす」という意味の “Flex” というワードが使われている曲としては、ポロG ft. ジュース・ワールドの “Flex”(2020年、最高位30位)、フィフス・ハーモニー ft. フェティ・ワップの “All In My Head (Flex)”(2016年、最高位24位)などの最高位を大きく上回ったこの曲、しかしながら今のところ再上昇は見込めず、トップ10にランクインした曲の平均滞在週である6.6週はクリアしたものの存在感を誇示する(見せびらかす)とはいかなそうです。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20


8位右下矢印 (先週7位、最高位1位)
Harry Stayles(ハリー・スタイルズ) – As It Was
ワンランクダウン。
イギリスでは2022年の年間1位を獲得し、ブリット賞でもソング・オブ・ザ・イヤーの有力候補となっているこの曲、これでトップ10滞在はトータル34週目で、トップ10滞在週ランキングではエド・シーランの “Shape Of You”(2017年、最高位1位)など3曲を抜いて単独6位となっています。


9位右矢印 (先週9位、最高位1位)
Steve Lacy(スティーヴ・レイシー) – Bad Habit
9位変わらず。
ビルボード誌のライターの間では2022年のフェイバリット・ソングに選ばれ、「リキッド・グルーヴ(雫が水面に落ちて創造する波紋のような音と空間)にカジュアルさがプラスされている」と評されているこの曲、先週の時点で2023年の年間チャートにもランクインが確実となる水準に達しています。

10位アップ (先週11位、最高位10位)
Zach Bryan(ザック・ブライアン) – Something In The Orange
ワンランクアップでトップ10入り。
ザック・ブライアンは初のトップ10。恋人との別れを運命と悟り嘆き悲しみつつも抱いていたかすかな希望に対して、タイトルにもなっている「オレンジ色の何か」と表現されている夕日が彼女はもう戻ってこないと告げている、という叙情的なカントリー・ソング。

来週(1/28付)の1位争いは、シザの “Kill Bill” にマイリー・サイラスの “Flowers” がチャレンジする形になると思われます。(テイラー・スウィフトの “Anti-Hero” が1位をキープする可能性も完全には排除できず)

以上、最新のトップ10紹介でした。

 
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