2020/03/14付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週1位、最高位1位)
Roddy Ricch(ロディ・リッチ) – The Box
今週もストリーミングを制して9週目の1位。
ロディが歌詞に合わせてカーレーサー、バスケ選手、大統領などに扮し、最後は小さなガラスのボックスに入ってミュージアムに展示されるという内容になっているこの曲のビデオ、この1週間で2,000万回以上再生されて1位キープに大きく貢献しています。
2位 (先週2位、最高位2位)
Future(フューチャー) feat. Drake(ドレイク) – Life Is Good
2位変わらず。
ドレイクのパートのヴァース1では(おそらくカニエ・ウエストに向けて)『俺のリリース日から消え失せろ』とラップされているこの曲、リリース時期が被った “The Box” に今週も1位を阻まれており、エド・シーランの “Thinking Out Loud”(2015年、最高位2位)以来、ビルボード史上13曲目の8週連続2位となっています。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20
3位 (先週5位、最高位3位)
Dua Lipa(デュア・リパ) – Don’t Start Now
2ランクアップでトップ3入り。
28日(土)に人気TV番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演することが決まったデュア・リパ。しかしながら、すでにプロモーションのメインは新曲の “Physical” にシフトされているようなのでこの曲がパフォーマンスされるかどうかは微妙。さらに上を目指すための材料にはならないかもしれません。
4位 (先週3位、最高位1位)
Post Malone(ポスト・マローン) – Circles
今週もラジオは制したもののワンランクダウン。
アニメ版のビデオも制作されているこの曲、これでトップ5滞在はビルボード史上13曲目(11位タイ)の22週、そしてHot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではチャビー・チェッカーの “The Twist”(1960年、最高位1位)とエド・シーラン with ビヨンセの “Perfect”(2017年、最高位1位)を抜いて18位→16位に上昇しています。
【解説・和訳】 Circles / ポスト・マローン
5位 (先週-位、最高位5位)
Lady Gaga(レディー・ガガ) – Stupid Love
レディー・ガガは16曲目のトップ10。
セールスを制して初登場5位。ガガがエレクトロ・ポップに回帰したエネルギッシュなダンスフロア・アンセムで、プリフックとフックでは『私がずっと欲しかったのは愛よ。私はあなたの愚かな愛が欲しいの』と歌われています。愛はある意味愚かなものということを暗示しつつ、”I want your stupid love” と “I want just to be loved”(私はあなたに愛されたいだけ)を掛けている(”just to be”の中にstupidと似た発音が含まれる)ような気もします。
Lady Gaga(レディー・ガガ) – ヒット曲ベスト20(更新)
6位 (先週6位、最高位4位)
Arizona Zervas(アリゾナ・ザーヴァス) – Roxanne
6位変わらず。
YouTubeに関するルール変更という逆風があったものの、これでトップ10滞在は15週目。トップ3に入れなかった曲としてはビルボード史上39曲目のロングヒットとなっています。ちなみに最高位4位以下でトップ10滞在15週以上は50年代~80年代にはなく、初めて記録したのはエイス・オブ・ベイスの “Don’t Turn Around”(1994年、最高位4位、トップ10滞在15週)。
7位 (先週8位、最高位7位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Blinding Lights
ワンランクアップで最高位更新。
ザ・ウィークエンド独特のダークなイメージはなく上位争いのダークホース的な存在になるかもしれない疾走感が心地よいこの曲、ザ・ウィークエンドのヒット曲ランキングでは “Call Out My Name”(2018年、最高位4位)を抜いて9位に上昇しています。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20(更新)
8位 (先週7位、最高位4位)
Tones And I(トーンズ・アンド・アイ) – Dance Monkey
ワンランクダウン。
新型コロナの影響で多くのコンサートやイベントが中止になる中、予定通りヨーロッパ公演を行っているトーンズ・アンド・アイ。やはりこの曲が一番人気のようで、オフィシャル・チャート社(UKチャートを発表している会社)は「元ナンバーワン・ソングは今も愛されている」と報じています。
9位 (先週9位、最高位2位)
Maroon 5(マルーン5) – Memories
9位変わらず。
チリのライブでは機材トラブルのため不機嫌になり、観客に失礼な態度をとって謝罪に追い込まれたアダム・レヴィーン。ただ、この日のライブが「バッド・メモリー」となってしまったファンの怒りは収まっていないようで、この曲を含むほとんどのパフォーマンスも酷評されています。
Maroon 5(マルーン5) – ヒット曲ベスト20
10位 (先週11位、最高位9位)
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) & Quavo(クエヴォ) – Intentions
ワンランクアップでトップ10復帰。
自分にとって完璧な妻、ヘイリーについて歌っているこの曲、ビデオはジャスティンとクエヴォが非営利団体を訪ね、貧しさから自分の夢を追いかけられなかった3人の女性をサポートするというノンフィクションな内容になっています。
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – ヒット曲ベスト20
以上、最新のトップ10紹介でした。