2018/06/09付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週1位、最高位1位)
Drake(ドレイク) – Nice For What
6週目の1位。
ドレイクはこれでマイケル・ジャクソンと並ぶ通算37週目(歴代8位)の1位。この曲のプロデューサーはミーゴスの “MotorSport” なども手がけているマーダ・ビーツ。彼はこの曲が出来た経緯について、『ドレイクに(俺が作った)ビートを聴かせたら、それまでやっていた(”NBA 2K” というバスケの)ビデオ・ゲームをやめて曲を書き始めた。完成するまで1時間半くらい。ヴァース2は後で付け足した』と語っています。
2位 (先週4位、最高位2位)
Post Malone(ポスト・マローン) feat. Ty Dolla $ign(タイ・ダラー・サイン) – Psycho
値下げ効果でセールスを制して再び最高位復帰。
ペアレント・アルバム “Beerbongs & Bentleys” のリリース時にはその効果でこの曲を筆頭にアルバム全曲がHot 100入り、J.コールのアルバム・リリース時と同様、チャートが荒れる展開になりましたが、ビルボードは今後、ストリーミングの種類を細分化すると発表。オーディオでのストリーミングでは今まで1500回で1枚のセールスとカウントされていましたが、有料定額サービスの会員は1250回で、広告入り無料サービスだと3750回で1枚とカウントされるそうです。
3位 (先週3位、最高位1位)
Drake(ドレイク) – God’s Plan
変わらずトップ3をキープ。
これでトップ3の滞在週はサンタナの “Smooth”、ブルーノ・マーズの “That’s What I Like”、ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーの “Despacito” と並び19週で3位タイ。また、HOT100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではLMFAの “Party Rock Anthem” と並び19位に上昇しています。
【解説・和訳】God’s Plan / Drake(ドレイク)
4位 (先週2位、最高位1位)
Childish Gambino(チャイルディッシュ・ガンビーノ) – This Is America
2ランクダウンでトップ3から陥落。
ショッキングなビデオが注目を集めているこの曲、そのビデオでは発砲シーン(顔を覆った男への背後からの発砲と聖歌隊への乱射)の後に銃を赤い布の上に置いていますが、これは「赤のアメリカ」(=共和党)が人の命よりも銃(を持つ権利)を大事にしているということを表しているようで、今のアメリカの危うさを伝えていると言われています。
5位 (先週5位、最高位5位)
Zedd(ゼッド), Maren Morris(マレン・モリス) & Grey(グレイ) – The Middle
今週もラジオを制してトップ5をキープ。
マレン・モリスがヴォーカルに正式採用されるまでは紆余曲折があったというこの曲、デミ・ロヴァート、カミラ・カベロ、アン・マリー、カーリー・レイ・ジェプセン、トーヴ・ロー、ビービー・レクサ、(フィフス・ハーモニーの)ローレン・ジャウリギー、デイア、チャーリー・XCX、エル・キングなど、そうそうたるメンバーがレコーディングを行っていたことが明かされています。
6位 (先週6位、最高位6位)
Lil Baby(リル・ベイビー) feat. Drake(ドレイク) – Yes Indeed
ストリーミングを制して最高位をキープ。
もともとタイトルは “Pikachu (No Keys)” だったというこの曲、歌詞はピカチュウと全く関係ありませんが、リル・ベイビーは『タイトルが決まっていなかったので、とりあえずワールドスターの名前にしておいた』と語っています。ちなみに、サブタイトルの “No Keys” とは(キーがない)最新の車のことで、フックでは『新車にキーはない(中略)口座には大金がある、Yes Indeed(まさにその通り)』とラップされています。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20
7位 (先週19位、最高位7位)
Cardi B(カーディ・B), Bad Bunny(バッド・バニー) & J Balvin(J. バルヴィン) – I Like It
12ランクアップで6週ぶりにトップ10復帰&最高位更新。
ビデオのリリース効果で急上昇。7月第1週が出産予定日というカーディ・Bは先日(5/29)、サルサ風ラテン・トラップのこの曲とマイアミのリトル・ハバナで撮影されたというビデオの制作に協力してくれたJ・バルヴィンとバッド・バーニーにスペイン語で感謝の言葉をツイートしています。
8位 (先週8位、最高位8位)
Ella Mai(エラ・マイ) – Boo’d Up
変わらず最高位をキープ。
デビュー曲がトップ10ヒットとなったエラ・マイ。彼女はこの曲について『誰かに恋をしてどうしてよいかわからないくらい舞い上がってしまう気持ちを歌っているので、ティーンエイジャーからお年寄りまで、恋したことがあるすべての人に共感してもらえる。それがヒットの理由だと思う。』と語っています。
9位 (先週7位、最高位2位)
Bebe Rexha(ビービー・レクサ) & Florida Georgia Line(フロリダ・ジョージア・ライン) – Meant To Be
2ランクダウン。
カントリーのチャートではこれで27週目の1位となったこの曲、ビルボード Hot 100の順位をもとにスコア化して算出した2018年上半期トップ20では5位にランクイン。年間でもトップ10入りする可能性が高いと思われます。
10位 (先週9位、最高位3位)
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – No Tears Left To Cry
ワンランクダウンながらトップ10はキープ。
人気コメディアン、ピート・デイビッドソンと付き合っていることが発覚したアリアナのこの曲、彼女のヒット曲ランキングでは “Love Me Harder” を抜き5位に上昇しています。
トップ10圏外ではショーン・メンデスの “In My Blood” が20位→11位、ジュース・ワールドの “Lucid Dreams” が35位→15位、ドレイクの “I’m Upset” が初登場19位などとなっています。
以上、最新のトップ10紹介でした。