【解説・和訳】 Paint The Town Red / ドージャ・キャット

 
ビッグバナー広告
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

2023年の9月16日、1位を獲得した Doja Cat(ドージャ・キャット)の “Paint The Town Red” を解説・和訳しました。

SNS上での批判を一蹴しつつ自分のアイデンティティを主張している曲で、ディオンヌ・ワーウィックの “Walk On By” のループとフィンガースナップを多用したビートが特徴的なスナップ・ラップ。

ヘイターたちの批判を無視してまさに素通りしていることを表現するかのように、(世界最高峰のソングライターの一人と評されているバート・バカラックとハル・デイヴィッドのコンビによって書かれた)ディオンヌ・ワーウィックの “Walk On By”(1964年、最高位6位)がBGMとして使用されているこの曲は、比較的落ち着いた曲調とは対照的に歌詞は自分のアイデンティティーを強烈に主張する内容になっています。

ドージャ・キャットにとっては “Say So” 以来、約3年ぶりのナンバーワン・ヒットとなったこの曲のタイトル “Paint The Town Red”(街を赤く染める) とは、「遠慮なく騒いで祝杯を挙げる」ことを意味するフレーズだそうですが、ビデオが示唆しているように流血の事態になる(=炎上する?)ことも辞さないという意味も込められているような気がします。

テイラー・スウィフトの “Shake It Off”(2014年、最高位1位)と同じ系譜に連なる、ドージャ・キャット流のアンチ・ヘイター・ソングだと思います。

ちなみに、以下がSNS上で批判や憶測が飛び交う発端となったドージャの新しいタトゥです。

【リンク】
当時(2023/09/16)のチャート
ドージャ・キャットの全ヒット曲

【和訳】
[Intro: Dionne Warwick]
Walk on by
通り過ぎるだけ
 :
 :

[Hook] ×2
Yeah, bitch, I said what I said
I’d rather be famous instead
I let all that get to my head
I don’t care, I paint the town red

私はこう言っただけなの
(崇拝されるんじゃなく)有名になりたいと
そのすべてが頭から離れなかったけど
気にせず 街を赤く染める

[Post-Hook] ×2
Mm, she the devil
She a bad lil’ bitch, she a rebel
She put her foot to the pedal
It’ll take a whole lot for me to settle

彼女は悪魔よ
彼女は悪女で反逆者
彼女はアクセルに足をかけた
落ち着くにはまだ時間がかかりそうね

[Verse 1]
Said my happiness is all of your misery
I put good dick all in my kidneys

私の幸せはあなたの不幸と言ったわ
いいペニスは全部腎臓に入れた(※1)
(※1:コロナで腎臓をやられていたときの交際が批判されたので、その交際は他人にとっては不幸なことかもしれないけど自分にとっては幸せという意味?)

This Margiel’ don’t come with no jealousy
My illness don’t come with no remedy

このマルジェラには嫉妬はない
私の病気に治療法はない(※2)
(※2:頭を剃ったことで精神面での心配の声が上がっていることに対して、自分を「規範を覆す」という理念のもとに設立されたパリのオートクチュールであるマルジェラと対比させた上での返答?)

I am so much fun without Hennessy
They just want my love and my energy

ヘネシー(高級酒)なしでも楽しめる
彼らは私の愛とエネルギーが欲しいだけ(※3)
(※3:ネガティブな人たちは他人の良いエネルギーを飲むことでしか楽しめないけど、自分はそうじゃないという意味?)

You can’t talk no shit without penalties
Bitch, I’m in yo’ shit if you send for me

ペナルティーなしでは反論できない
私のための投稿で 私が巻き込まれる (※4)
(※4:批判的な投稿に反論してくれるファンによって逆に批判されていることを知ることになる。だからファンの反論は自分にとって罰を受けることになるという意味?)

I’m going to glow up one more time
Trust me, I have magical foresight

もう一度輝きを取り戻したい
信じて、私には魔法のような先見の明がある

You gon’ see me sleepin’ in courtside
You gon’ see me eatin’ ten more times

コートサイドで寝ている私を見ることになる
あと10回は私が食べるところを見ることになる(※5)
(※5:「食べる」は何かを象徴的に行うことを表現する言葉でもあるため、今後もいろいろ問題を起こすかもしれないという意味?)

You can’t take that bitch nowhere
I look better with no hair

あのビッチはどこへも連れていけない
私は髪がないほうが似合う(※6)
(※6:ドージャが頭を剃ったことへの言及)

Ain’t no sign I can’t smoke here
Gimme the chance and I’ll go there

禁煙のサインはない
チャンスをくれれば 私はそこへ行く(※7)
(※7:ドージャがレッドカーペットで喫煙して捕まったことへの言及した上で、自分への信頼を求めている?)

[Hook]

[Post-Hook]

[Verse 2]
Said pop make money, now you try, bitch
You could use a revamp with a new vibe, sis

ポップ(をやるの)は金になるって言ったけど
あなたもやってみたら
新しい雰囲気でリフレッシュできるはずよ

I don’t need a big feature or a new sidekick
I don’t need a new fan ‘cause my boo like it
I don’t need to wear a wig to make you like it

大物ゲストも相棒もいらない
新しいファンだっていらない
恋人が好きでいてくれるから
ウィッグをつけてまで気に入ってもらう必要はない

I’m a two-time bitch, you ain’t knew I’d win?
Throw a shot like you tryna have a food fight then
All my opps waitin’ for me to be you, I bet

私は(アルバムを)2枚成功させているのよ 知らなかった?
だったらフードファイトみたいにシュートを打てば(※8)
私の敵は私があなたのようになることを待っている(※9)
(※8:フードファイトは実際のケンカではなく危害を加えられるリスクはないので、それに例えて簡単に成功できると思っているのなら当てずっぽうでやってみればという意味?)
(※9:ヘイターたちは私があなたのような模倣犯になることを望んでいる、という意味?)

Said I got drive, I don’t need a car
Money really all that we fiendin’ for
I’m doin’ things they ain’t seen before
Fans ain’t dumb, but extremists are

ドライブはできる、車は必要ないって言ったけど
お金がすべて
私は彼らが見たことのないことをやってるの
ファンはバカじゃないけど 過激な人はそう

I’m a demon lord
Fall off what? I ain’t seen the horse
Called your bluff, better cite the source
Fame ain’t somethin’ that I need no more

私は魔王
落ちるって何? 馬になんか乗ってないけど
デマを流すなら 証拠を出して
私にはもう名声は必要ないのよ?

[Hook]

[Post-Hook]

[Outro: Dionne Warwick]
Walk on by
通り過ぎるだけ
 :
 :

 
0
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す