2019/03/09付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週21位、最高位1位)
Lady Gaga(レディー・ガガ) & Bradley Cooper(ブラッドリー・クーパー) – Shallow
レディー・ガガは4曲目、ブラッドリー・クーパーは初の1位。
第91回アカデミー賞(オスカー)での主題歌賞受賞と二人そろってのデュエット・パフォーマンス効果で急上昇。(セールスは225%アップで1位、ストリーミングは185%アップで9位、ラジオは30%アップで27位)ガガはこの曲の受賞スピーチで家族や共同ソングライターのマーク・ロンソンなどに感謝の言葉を述べた後、ブラッドリー・クーパーに対しても『あなたとしかこの曲は歌えません。私を信じてくれてありがとう』と涙ながらにコメントしています。
Lady Gaga(レディー・ガガ) – ヒット曲ベスト20(更新)
2位 (先週1位、最高位1位)
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – 7 rings
ストリーミングは制したもののワンランクダウンで連続1位は5週でストップ。
しかしながら、初登場で5週以上の連続1位はビルボード史上9曲目となる記録。(初登場からの連続1位記録は以下のとおり。)ちなみに、来週の1位争いはこの曲とジョナス・ブラザーズの “Sucker” の戦いになりそうですが、今のところ後者のほうが優勢のようです。
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – ヒット曲ベスト20
16週 One Sweet Day / マライア・キャリー&ボーズ・II・メン
14週 Candle In The Wind 1997 / エルトン・ジョン
11週 I’ll Be Missing You / パフ・ダディ&フェイス・エヴァンス ft. 112
11週 God’s Plan / ドレイク
10週 Hello / アデル
8週 Fantasy / マライア・キャリー
6週 Born This Way / レディー・ガガ
5週 Harlem Shake / バウワー
5週 7 rings / アリアナ・グランデ
3位 (先週2位、最高位1位)
Halsey(ホールジー) – Without Me
ラジオを制したもののワンランクダウン。
これでトップ3は12週(ビルボード史上130曲目)、トップ5は16週(ビルボード史上80曲目)となったこの曲、Hot 100の順位をもとにスコア化して算出した2019年度の上半期(2018年12月~2019年5月)のランキングでは今のところ1位となっています。
4位 (先週3位、最高位1位)
Post Malone(ポスト・マローン) & Swae Lee(スワエ・リー) – Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)
こちらもワンランクダウン。
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』がアカデミーで長編アニメーション賞を受賞したものの、同映画のサントラに収録されているこの曲への効果は限定的で、ビデオの再生回数は急増していますがセールス、ラジオは今ひとつ伸びず、トップ3から2度目の陥落となっています。
5位 (先週11位、最高位4位)
J. Cole(J・コール) – MIDDLE CHILD
ビデオのリリース効果で6ランクアップしてトップ10復帰。
冒頭から使用されているホーンのリフが印象的なこの曲、この部分は音楽ライセンス・サイトの “Tracklib” で見つけて500ドルで購入したものだとプロデューサーのTマイナスが明かしています。
6位 (先週6位、最高位2位)
Marshmello(マシュメロ) feat. Bastille(バスティル) – Happier
今週も6位変わらず。
一旦8位まで落ちてこのまま終わり(トップ10陥落)かと思いきや、その翌週に最高位更新という動きを見せたこの曲、最初の “So I’ll go, go, go”(だから僕は行くよ)という部分はエンディングを装ったブリッジ(フックとフックの橋渡し)で、2回目の “So I’ll go, go, go” が本当のエンディング(アウトロ)となっており、チャートアクションと同じで「死んだふり」が印象的な構成となっています。
7位 (先週4位、最高位1位)
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – thank u, next
3ランクダウンでトップ5から2度目の陥落。
元カレに感謝しつつも未練はないという気持ちを『ありがとう、次』というキャッチーなタイトルで一言で表現しているこの曲、長年にわたり「ベストヒットUSA」で司会を務められている小林克也さんは『人を食ったような曲』とコメントされています。
【解説・和訳】 thank u, next / アリアナ・グランデ
8位 (先週10位、最高位8位)
Post Malone(ポスト・マローン) – Wow.
2ランクアップで最高位復帰。
最高位8位以下の曲としてはビルボード史上30曲目となる7週目のトップ10。ファンへのクリスマス・プレゼントとして昨年のクリスマス・イブにリリースされたこの曲、アニメでポスト・マローンがサンタ&王様に扮したビデオは不人気で、トップ10ヒットとしては最近ではリル・ベイビー&ガンナの “Drip Too Hard” 以来、低レベルの再生回数となっています。
9位 (先週13位、最高位9位)
Blueface(ブルーフェイス) – Thotiana
ブルーフェイスは初のトップ10。
カーディ・Bをフィーチャーしたリミックス版のリリース効果でトップ10入り。タイトルの「タティアナ」とはストリッパーやネットに裸の写真を載せる女のこと。『タティアナは俺の(心の)隙間を埋めてくれる』とラップされています。
10位 (先週7位、最高位1位)
Travis Scott(トラヴィス・スコット) – SICKO MODE
3ランクダウン。
これでビルボード史上5曲目となるトップ10全ての順位に滞在したことになるこの曲、トップ10滞在はビルボード史上7曲目となる30週、そしてHot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではブラック・アイド・ピーズの “I Gotta Feeling”(2009年、最高位1位)と並び20位に上昇しています。
【解説・和訳】 SICKO MODE / トラヴィス・スコット
以上、最新のトップ10紹介でした。