1988年の今日(5月14日)、1位を獲得した Gloria Estefan & The Miami Sound Machine(グロリア・エステファン&マイアミ・サウンド・マシーン)の “Anything For You” について解説しました。
グロリア・エステファンが結婚した年に書いた別れの曲で、未練はあるもののそれを必死で乗り越えようとするポップ・バラード。
この年、バンドメイトのエミリオと結婚したばかりのグロリアですが、なぜこの時期に
いまでも あなたのためなら何でもするわ
あなたの(恋愛)ゲームにも付き合ってあげる
私をすごく傷つけても
あなたのやり方でいいの
あなたに会う時はいつでも
「そんなこと気にしない」
「あなたなんて必要ない」
って振る舞えるから
だから 私が泣いているところを見ることはないはずよ
内心では死にそうだけど…
という、ハート・レンディングな(心を引き裂くような)失恋ソングを書いたのかという疑問に対して、彼女は『これがアーティストの才能の使いどころなの。いつか経験するかもしれないこと、誰かを通して間接的に経験すること、友達が経験したこと、アーティストはこれらのことを含めて曲を書いているの。』と説明しています。
また、『私はいつも会話風に書くようにしているの。ちょっとミュージカルにしてね。』とも語っていますが、もともとピアノとヴォーカルだったというこの曲にギター、ベース、パーカッション、そしてホーンを効果的に追加してクライマックスを演出する作りは、まさに「劇場型(ミュージカル風)失恋ソング」とも言える仕上がりになっていると思います。