2000年の今日(7月22日)1位を獲得した Matchbox Twenty(マッチボックス・トゥエンティ)の “Bent” について解説しました。
傷ついている人には他人の理解と協力が必要、そしてゲイに対しても理解と協力が必要というダブル・ミーニングと思われる曲で、ドラマのクライマックスを演出するようなオープニング(と間奏)のギターが印象的なオルタナティブ・ロック。
ソングライターはバンドのフロントマンでリード・ヴォーカルのロブ・トーマス。彼は「ゲイ」という意味もある “Bent”(「屈曲している」、「参っている」)というタイトルのこの曲について、(皮肉っぽく)『希望が持てるラブソングで、僕と一緒にいるってことは、お互いにちょっと間違ってるってことだけど、でも間違っている者同士が一緒に居るんだったら問題ない(ということを歌っている)』と語っています。
プリ・フックおよびフックでは、
そんなに困惑することはないだろ
抱きしめて
そして もう一度抱きしめてくれるだけでいい
助けてくれよ 僕は参っているんだ(ゲイなんだ)
すごく怖いんだ
もう二度と一緒にはなれない気がするから
このままだと
お互いに傷付いて終わるだけだから
と歌われており、自分がゲイの体(てい)で、ノーマルな男性に向けているともとれる歌詞になっています。(※ロブ・トーマスはこの時点でプエルトリコ人の女性と結婚しており、ゲイではないようですが、ゲイの権利を求める活動に対して強力なサポートを行っています。)
ちなみに、ビデオではロブがバンドのメンバーに車で跳ね飛ばされた上に足蹴にされてお金も取られるなど、酷い扱いをされていますが、これは前年(1999年)にロブがソロ活動をして成功した(サンタナの “Smooth” を手がけて大ヒット、3部門でグラミー賞を獲得した)ことへの「腹いせ」だそうです。