【解説・和訳】 bad guy / ビリー・アイリッシュ

 
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Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ) の “bad guy” を解説・和訳しました。

虐待的な恋人に対して「本当のワルは私」という曲で、重低音のシンセベースとキック・ドラムのサウンド、そしてローキーなヴォーカルが特徴的なポップ・トラップ。

ソングライターはビリー自身と彼女の実兄でプロデューサーも務めているフィニアス。

そのフィニアスが『ヘビーでダークな中にもユーモアが織り込まれている』というこの曲は、重低音のシンセベース&キック・ドラムのサウンドと、ローキーな(控えめな、抑制された)ヴォーカルで歌われているビリーの内省的とも思える歌詞が妙にマッチしており、「お気に入り」と公言するするセレブも続出、世界的な大ヒットとなっています。

【和訳】
[Verse 1]
White shirt now red, my bloody nose
Sleepin’, you’re on your tippy toes
Creepin’ around like no one knows
Think you’re so criminal

白いシャツが私の鼻血で赤く染まる
眠っていると あなたが足音を忍ばせて
歩き回る 誰も気づいていないように
それってすごくタチが悪い

Bruises on both my knees for you
Don’t say thank you or please
I do what I want when I’m wanting to
My soul? So cynical

青あざ
両膝のあざはあなたのせい
言わないで「ありがとう」とか「お願い」とか
私は したいことをするだけ
私の本心はシニカル

[Hook]
So you’re a tough guy
Like it really rough guy
Just can’t get enough guy
Chest always so puffed guy

そう あなたはタフで
荒っぽいのが好きで
満足できないヤツ
いつも胸を張っているヤツ

I’m that bad type
Make your mama sad type
Make your girlfriend mad tight
Might seduce your dad type
I’m the bad guy
Duh

私は悪いタイプ
あなたの母親を悲しませるタイプ
あなたの彼女を激怒させる
あなたの父親を誘惑するかもしれないタイプ
私は悪いヤツ

[Post-Hook]
I’m the bad guy
私は悪いヤツ

[Verse 2]
I like it when you take control
Even if you know that you don’t
Own me, I’ll let you play the role
I’ll be your animal

あなたが主導権を握っているのが好き
私はあなたのものじゃないと
あなたが分かっていても
この役を演じさせる
私があなたのアニマルになる

My mommy likes to sing along with me
But she won’t sing this song
If she reads all the lyrics
She’ll pity the men I know

私のママは 私と一緒に歌うのが好き
でもこの歌は歌ってくれない
もしママが歌詞を読んだら
きっと哀れむ
この男たちのことを

[Hook]

[Post-Hook]
I’m the bad guy, duh
I’m only good at bein’ bad, bad

私は悪いヤツ
悪いところだけが取り柄

[Bridge]
I like when you get mad
I guess I’m pretty glad that you’re alone
You said she’s scared of me?
I mean, I don’t see what she sees
But maybe it’s ‘cause I’m wearing your cologne

あなたが怒るのが好き
あなたが一人なことが結構嬉しいかも
彼女は私を怖がってるって?
彼女と見ているものが違う
でももしかしたらそれは
あなたのコロンをつけてるから

[Outro]
I’m a bad guy
I’m a bad guy
Bad guy, bad guy
I’m a bad

私は悪いヤツ
私は悪いヤツ


【ビルボード Hot 100 トップ10解説より】
2019/11/09付
これでトップ10内すべての順位に滞在したことになるこの曲、トップ10滞在はビルボード史上9曲目の30週となり、サンタナ ft. ロブ・トーマスの “Smooth”(1999年、最高位1位)の記録と並んでいます。

2019/11/02付
同じくワンランクダウン。
トップ10滞在30週まであと1週、そしてトップ10内すべての順位に滞在は残り10位のみとなっているこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではアッシャー ft. リル・ジョン&リュダクリスの “Yeah!”(2004年、最高位1位)、ゴティエ ft. キンブラの “Somebody That I Used To Know”(2012年、最高位1位)の2曲の年間1位ソングを抜いて20位→19位に上昇しています。

2019/10/26付
こちらもワンランクアップ。
これでトップ10内では10位を除いてすべての順位に滞在したことになるこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではメーガン・トレイナーの “All About That Bass”(2014年、最高位1位)と並び22位→20位に上昇、トップ20入りしています。

2019/10/19付
こちらは3ランクダウン。
トップ10入りして1位を獲得するまでにかかった週数ではレディ・ガガ&ブラッドリー・クーパーの “Shallow” の20週に次いで、ビルボード史上2番目に遅い記録となる19週を費やしたこの曲、これでトップ10滞在は27週となり、エド・シーラン duet with ビヨンセの “Perfect”(2017年、最高位1位)、マシュメロ&バスティルの “Happier”(2019年、最高位2位)と並んで12位タイの記録となっています。

2019/10/12付
再上昇でワンランクアップ。
最近話題になっている、そしゃく音など脳が心地よいと感じるASMR(自律感覚絶頂反応)ではないかと言われているビートが特徴的なこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートでは25位→22位に上昇しています。

2019/10/05付
4ランクダウンで一気にトップ5からも陥落。
先週はTV人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」でパフォーマンスされたこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではLMFAOの “Party Rock Anthem”(2011年、最高位1位)と並び31位→25位に上昇しています。

2019/09/28付
2ランクアップでトップ3復帰。
iHeartRadio ミュージック・フェスティバル(の2日目)にパフォーマンスされ、この日のハイライトだったと評されているビリー・アイリッシュのこの曲、トップ3はこれでビルボード史上14曲目(10位タイ)となる17週、そしてHot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートでは44位→31位に上昇しています。

2019/09/21付
2ランクダウン。
年間チャートではトップ5入りも視野に入ってきたこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではホイットニー・ヒューストンの “I Will Always Love You”(1992年、最高位1位)と並び56位→44位に上昇しています。

2019/09/14付
変わらず3位をキープ。
来年のグラミーではサム・スミス以来(女性アーティストではエイミー・ワインハウス以来)となる主要4部門すべてにノミネートされると見られているビリー・アイリッシュ。最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞のどちらか(もしくは両方)の受賞が期待されるこの曲は、トップ3の滞在週がビルボード史上22曲目(14位タイ)の16週となっています。また、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではブラック・アイド・ピーズの “Boom Boom Pow”(2009年、最高位1位)と並び67位→56位に上昇しています。

2019/09/07付
今週もワンランクダウン。
VMAsでは大方の予想通りベスト・ニュー・アーティストに選ばれたビリー・アイリッシュのこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではアデルの “Hello”(2015年、最高位1位)など3曲と並び95位→67位に上昇しています。

2019/08/31付
1週で1位から陥落。
1位を獲得していない曲としての2位滞在最長記録に並ぶことはなかったものの、1位滞在の最長記録を作った “Old Town Road” を陥落させた曲として名を残すことになったこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではビル・ヘイリーの “(We’re Gonna) Rock Around The Clock”(1955年、最高位1位)と並び95位に上昇、トップ100入りしています。

2019/08/24付
ビリー・アイリッシュは初の1位。
ビルボード史上初となる9週2位の後の1位獲得となったこの曲、今集計週ギリギリに公開されたメイキングのようなヴァーティカル・ビデオ(スマホで撮影された縦長のビデオ)が1位獲得の決め手となったようです。また、ビリー・アイリッシュは2000年代生まれとしては初の1位獲得アーティストとなっています。

2019/08/17付
2位変わらずで1位との差も先週と変わらず。
テイラー・スウィフトが20歳で獲得したグラミーの最優秀アルバム賞の最年少記録を更新するのではないかと言われているビリー・アイリッシュ。この曲はこれで9週目の2位となり、1位を獲得していない曲としてはドナ・ルイスの “I Love You Always Forever”(1996年)、シャナイア・トゥエインの ” You’re Still The One”(1998年)と並び3位タイの記録となっています。

2019/08/10付
1位との差は先週と変わらず今週も2位。
8/26(月)に開催されるMTV Video Music Awardsではビデオ・オブ・ザ・イヤーの有力候補と見られているこの曲、これで2位は8週目となり、1位を獲得していない曲としてはエド・シーランの “Thinking Out Loud”(2015年)以来、ビルボード史上11曲目(Hot 100では10曲目)となっています。

2019/08/03付
2位変わらず。
1位との差は100対83(先週は100対77)まで縮まったものの、今週も1位獲得ならず。2位はこれで7週目で、1位を獲得していない曲の7週以上2位はビルボード史上20曲目となっています。ちなみに、1位を獲得していない曲で最も長く2位に滞在したのはフォリナーの “Waiting For A Girl Like You”(1981年)とミッシー・エリオットの “Work It”(2002年)で10週。

2019/07/27付
変わらずで通算6週目の2位。
ジャスティン・ビーバーをフィーチャーしたリミックス版のリリース効果(セールスへの貢献度は約3分の1でストリーミングへの貢献度は半分程度)で1位との差は100対77(先週は100対67)に縮まったものの1位獲得ならず。1位を獲得していない曲の6週以上2位はDJ・キャレド ft. リアーナ&ブライソン・ティラーの “Wild Thoughts”(2017年、7週2位)以来、35曲目となっています。

2019/07/20付
2位変わらず。
ジャスティン・ビーバーをフィーチャーしたリミックス版がリリースされたこの曲、そのジャスティンのパートでは『息ができるように締め付けを緩める。これは政治的な意味じゃない』と歌われていますが、これは政治用語を使いつつ、自身のマネージャーであるスクーター・ブラウンとテイラー・スウィフトとの対立(テイラーの曲の権利を持つレコード会社の買収)と、ビリーと「連立」を組んで “Old Town Road” を「権力の座」(1位)から引きずり下ろす、という二つの争いを想起させるような歌詞にしているのかもしれません。

2019/07/13付
ワンランクアップで最高位復帰。
今年の上半期アルバム・チャートで2位となった “When We All Fall Asleep, Where Do We Go?” に収録されているこの曲、冒頭では『白いシャツが私の鼻血で赤く染まる』と歌われていますが、これは自分の中で起こっている変化(純粋さが失われてワルになるという内面の変化)のメタファーのような気がします。

2019/07/06付
変わらずトップ3をキープ。
最近でもブリトニー・スピアーズやBTS(防弾少年団)のメンバーなど、「お気に入り」と公言するするセレブが増え続けているこの曲、日曜日(6/30)にイギリスで開催されたグラストンベリー(世界最大規模のロックフェス)では(ビリー・アイリッシュのステージの)オープニングとしてパフォーマンスされています。

2019/06/29付
主要3チャートですべてポイントアップながらワンランクダウン。
経済誌の権威、フォーブスで「時代を牽引する30歳未満の若者たち30人」に選出されているビリー・アイリッシュ。彼女は『ダンスでも歌と同じくらい表現できる』そうで、その個性的なダンスが披露されているこの曲のビデオの再生回数は今週も2,000万を超えてトータルでは3億回を突破しています。

2019/06/22付
変わらず最高位をキープ。
ダメージを負ってコーナーに戻ってきたボクサーのようにインビザライン(マウスピース型の矯正装置)を外すところから始まり、続いて鼻血のシーンに変わるこの曲のビデオ、今週も再生回数は2000万回を超えており好調の下支えとなっています。

2019/06/15付
変わらず最高位をキープ。
4週連続9位を記録(※)した後に急上昇したこの曲、今週もストリーミング(2位変わらず、通常であれば1位になるレベル)、セールス(4位→5位、16%アップ)、ラジオ(22位→14位)のすべてでポイントを伸ばしていますが、トータルではまだ年間チャートでトップ10入りを狙えるレベルには達していないと思います。(現時点の予想では20位前後で、10位予想のポイントの半分強)
※ビルボード史上13曲目。9位に連続で滞在した最長記録はアンディ・ギブの “(Our Love) Don’t Throw It All Away” とストレイ・キャッツの “Rock This Town” で5週

2019/06/08付
1位とはほぼトリプルスコアの大差ながらワンランクアップで3週連続最高位更新。
重低音のシンセベース&キック・ドラムのサウンドとビリー・アイリッシュのローキーなヴォーカルが妙にマッチしているこの曲、MTVとグラミーで最優秀ビデオを受賞したケンドリック・ラマーの “HUMBLE.” やカミラ・カベロの “Havana”、そして最近ではテイラー・スウィフト ft. ブレンドン・ユーリーの “ME!” も手がけているデーブ・メイヤーズが監督を務めているビデオも好調で、今週も2,000万回以上再生されています。(週間再生回数ランキングでは “Old Town Road” に次いで2位)

2019/06/01付
ワンランクアップでトップ3入り。
メリッサ・マッカーシー(女優、コメディアン)によるパロディ・ビデオ効果もあって今週も最高位を更新したこの曲、独特の世界観を持つビリー・アイリッシュが書いた内省的な歌詞もヒットの大きな要因になっていると思います。

2019/05/25付
5ランクアップでトップ5入り。
「ジミー・キンメル・ライブ!」でのパフォーマンス効果もあって大きく上昇したこの曲、先週は人気TV番組「エレン・デジェネレス・ショー」で放送されたメリッサ・マッカーシー(女優、コメディアン)によるパロディ・ビデオが大きな話題になっています。

2019/05/18付
今週も9位変わらず。(4週連続)
DJのティエストによるリミックス版の反響はイマイチだったものの、ストリーミングの伸び率は今週1位のこの曲、先週は人気TV番組「ジミー・キンメル・ライブ!」でパフォーマンスされています。

2019/05/11付
9位変わらず。
注目度が高い割には今のところ最高位7位止まりとなっているこの曲、先日(5/2)、DJのティエストによるリミックス版がリリースされており、来週は多少その効果が期待できるかもしれません。

2019/05/04付
9位変わらず。
ビリー・アイリッシュの兄でこの曲のソングライター兼プロデューサーでもあるフィニアスによると、『この曲を完成させた時、アルバムはヘビーでダークになると確信した。でもその中にユーモアがあるものにすることも決めていた』そうですが、特にこの曲には(ビデオにも)ユーモアというか皮肉のようなものが織り込まれているような気がします。(フックの『あなたってタフな男ね』という部分など)

2019/04/27付
2ランクアップでトップ10復帰。
「誰が本当のワルか」、「そもそも何がワルか」ということを問いかけているようなこの曲、フックでは『私は悪いタイプ。あなたのママを悲しませるタイプ。あなたの彼女をおかしくしちゃうタイプ。あなたのパパを誘惑しちゃうかもしれないタイプ』と歌われています。

2019/04/13付
17歳のビリー・アイリッシュは初のトップ10。
虐待的な恋人に対して、私は(DVを受けて)鼻血を出したりアザを作ったりしてるけど従順さを演じているだけで、二人の関係をコントロールしているのは私。そして本当の “bad guy”(ワル)も私、という曲。

 
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