【解説】Nowhere Man / ザ・ビートルズ

 
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絶望に似た虚無感みたいなものを感じるとき、私はよくビートルズを聴きます。

この “Nowhere Man” という曲はジョン、ポール、ジョージ、3人の重厚なアカペラ・コーラスから始まるジョンの佳曲ですが、歌詞は彼らの虚無感や脱力感みたいなものが反映されているかのような内容になっています。

毎日が殺人的に忙しく、ファンに追いかけ回され、そしてコンサートをやっても観客の歓声で自分たちの音楽はかき消される・・・自分たちがやっていることに疑問を感じていた頃、”A Hard Day’s Night” や “Help!”とはまた違う形で彼らの気持ちが表現された曲だと思います。

Doesn’t have a point of view    あいつは何の考えもなく
Knows not where he’s going to   自分がどこに行くかもわかっていない
Isn’t he a bit like you and me?  君や僕もあいつにちょっと似てないか?

この歌詞には妙に共感してしまいます。

ちなみに、ビートルズはこの日本公演の後に行ったフィリピンでマルコス大統領のパーティを断って死ぬような目に遭い、その後に行ったアメリカでジョンがキリストよりポピュラーだという発言をして迫害を受け、逃げるようにイギリスに帰り、もうツアーはやらない決心をします。

 
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