1990年の今日(4月7日)、1位を獲得した Taylor Dayne(テイラー・デイン)の “Love Will Lead You Back” について解説しました。
いつかきっと戻ってくると確信しているから自由にしてあげるという別れの曲で、エモーショナルでソウルフルなヴォーカルが特徴的なポップ・ソウル。
ソングライターはロマンティックな曲を書かせたらこの人の右に出るものはいないと言われているダイアン・ウォーレン。
そのダイアン・ウォーレンによると、『この曲をロシアのホテルで書いている時、(歌うのは)ホイットニー・ヒューストンを思い浮かべていた。』そうですが、最終的にテイラー・デインが歌うことになった背景には、アリスタ・レコード社長(クライヴ・デイヴィス)の強い意向があったことが明らかになっています。
もともと “Tell It To My Heart”(1988年、最高位7位)の1曲のためだけにアリスタと契約したテイラーですが、その後も “Prove Your Love”(1988年、最高位7位)、”I’ll Always Love You”(1988年、最高位3位)、Don’t Rush Me(1989年、最高位2位)、”With Every Beat Of My Heart”(1989年、最高位5位)とヒットは連発したもののナンバーワン・ヒットはなかったため、本人曰く『多くの人の心に触れるだろうダイアンが書いた最大の宝石で偉大なこのバラード』は1位獲得が十分に狙えるということもあってか、どうしても自分が歌いたいという気持ちがあったようです。
愛があなたを連れ戻す
いつの日か 私には分かっている
愛があなたを私の腕の中に連れ戻す あなたが居るべき場所へ
確信しているの
星は間違いなく輝くように
ある日 あなたは再び私に出会う そんなに先のことじゃない
いつか 私たちの愛はあなたを連れ戻す
と歌われているフック部分はやや強がりのようにも聞こえますが、「そう思っていないと…」という気持ちが見え隠れし、また、
自分の家に帰る道を見つけるのに
時には 時間がかかるものなの
という部分は、未練と諦めが同居した気持ちをうまく表現した歌詞になっていると思います。