【解説・和訳】 I Like It / Cardi B(カーディ・B)

 
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Cardi B(カーディ・B), Bad Bunny(バッド・バニー) & J Balvin(J. バルヴィン)“I Like It” を解説・和訳しました。

カーディ・Bの好きなものがラップされている曲で、ブーガルー(1960年代後半に主にニューヨークで流行したラテン音楽)とサルサがブレンドされているラテン・トラップ。

ピート・ロドリゲスの1967年のブーガルー・ヒット、”I Like It Like That” がサンプリングされているこの曲は、プロデューサーのJ.ホワイト曰く『カーディ・Bの成功や偉業をお祝いしている曲』で、ビデオのリリースによりブレイクし、その後 iTunesでの恒常的な値下げも手伝って1位を獲得。カーディ・Bは2曲のナンバーワン・ヒットを持つ初の女性ラッパーとなっています。

ビルボードでは2018年上半期のベストソングとも評されており、今年のソング・オブ・ザ・サマーはこの曲で決まりかも。

【和訳】
[Intro]
イエー、ベイビー
そういうふうにするのが好き
私が話したことを あなたは信じなきゃ
そういうふうにするのが好きって言ってるの
私が話したことを あなたは信じなきゃ
私はそれが好きって言ってるの

[Verse 1]
ドルが好き
ダイアモンドが好き
人目を引くのが好き
輝くのが好き
百万ドルの契約が好き
私のペンはどこ?
サインしてやるわよ
このバレンシアガ(の靴)が好き
ソックスみたいに見えるやつ
宝石店に行くのが好き
腕時計に宝石を散りばめるの
元カレたちの「もう一度チャンスをくれ」って言ってくるメールが好き
ヤツらが間違ってるってことを証明するのが好き
ヤツらが「お前にはムリ」って言ったことするの
彼らは私をカーディ・バーディって呼ぶの
セクシーなボディの
スパイシーでホットな女
ソマリ族よりホット
毛皮のコート
フェラーリ
スタジオから抜け出して
クーペに飛び乗る
屋根の上に北斗七星
できるだけビッチたちに見せびらかして
ハラル(※)を食べて
(※イスラム教の戒律によって食べることが許された食べ物)
ランボルギーニ(※)でドライブ
(※ハラルのLamb(ラム肉)と車のLamb(ランボルギーニ)を掛けつつ、Islam(イスラム)にもひっかけた言葉遊び)
だからあのビッチには「悪いわね」って言ったの
マリオのように私のコインを試して
そう、彼らは私をカーディ・Bって呼ぶの
有酸素運動のようにこなしていく
ホントよ

[Hook]
ダイアモンド地区(それが好きって言ってるの)
知っての通り、私はギャング(それが好きって言ってるの)
車のルーフを開けて 脳みそがブッ飛ぶ
おっと、彼はすごくハンサム
名前はなんていうの?(それが好きって言ってるの)
私はお金がいる(それが好きって言ってるの)
ピニャータ(※)みたいに
(※中にお菓子などを詰めた紙製のくす玉人形)
叩き割る(それが好きって言ってるの)
ドライバーにカーテン閉めてって言って(それが好きって言ってるの)
ワルのビッチが彼をそわそわさせる
カーディ・B

[Verse 2] … Bad Bunny
銃弾を込めるけど
引き金はひかない
お前はジョーダンを買ってるけど
俺はもらってるんだ
俺はクラブで過ごすけど
お前はバンク(銀行)に何を持ってるんだ
これが新しい宗教 バング!
ラテンのギャング
ダイエットしようとしてるんだ
でもクローゼットにはたくさん脂肪がある
既にグッチは店ごと俺の家に移動させた
プラザですらお前のことは誰も知らねえ
悪魔に呼ばれるけど
キリストが俺を抱きしめる
エディ(※)のような戦士
(※エディ・ゲレロ:「ラティーノ・ヒート」(ラテンの情熱)の異名を持ち、38歳の若さで亡くなった人気プロレスラー。日本でも2代目ブラック・タイガーとして活躍。)
俺たちの民族万歳
プエルトリコ人が好きだ
キューバ人が好きだ
コロンビアのアクセントが好きだ
ドミニカ人のケツの動かし方
ベネズエラ人とヤルときの気持ちよさ
俺たちはアクティブ
ペリコ・ピン・ピン(サルサの曲名)
ドラッグの小袋もある
スーツケースに100ドル札
ベースが鳴り響く
ボビー・バレンティン(※)
(※キング・オブ・ベースの異名を持つベーシスト)
ここで愛することは禁止
チャリティン(※)
(※チャリティン・ゴイコ:コロンビアの女性歌手)
かゆくなるんだ
クラチチン(アレルギーの薬)
俺がディスコに到着すると
暴動が起きる

[Hook]

[Verse 3] … J Balvin
セリア・クルス(※)みたいに
(※キューバ出身の女性サルサ歌手)
シュガーを持っている
お前の彼女は俺を見て
ジミー・スヌーカ(※)のように
(※ダイビング・ボディ・アタックを得意技としていたことから「スーパー・フライ」(飛獣)と呼ばれ、日本でも活躍した人気プロレスラー。)
飛びかかってくる
(驚いて)お前のカツラが吹っ飛ぶぜ(※)
(※アメリカン・アイドルの審査員のケイティ・ペリーが使った言葉でネット上に拡散したフレーズの引用)
お前に水タバコを回すつもりはない
バレンシアガの靴たちが
俺を玄関で出迎える
パパラッチ
まるで俺がレディ・ガガのようだ
気取るなよ
ビルボードの表紙で俺の顔を見てるから
お前の頭から離れない
どこに行っても
“Mi Gente”(※)を聴いただろ
(※2017年、最高位3位を記録したJ.バルヴィンのヒット曲)
俺はハイじゃない
(車のフェラーリ・)テスタロッサのようなもんだ
俺は人生を生きて
それを楽しむ男だ
要するに それだよ
ベイビー、それだよ
見るヤツは苦しんで
触るヤツは楽しむ

[Bridge] … J Balvin & Cardi B
それが好きって言ってるんだ
それが好きって言ってるんの
それが好きって言ってるんだ
それが好きって言ってるんの

[Hook]

【ビルボード Hot 100 トップ10解説より】
2018/10/20付
2ランクアップでトップ10復帰。
AMAsではグラマラスなコスチュームで登場し、バッド・バニー、J.バルヴィンと共にこの曲をパフォーマンスしたカーディ・B。ビルボードは冒頭のホーン・セクション、ステージング、衣装などを総合して「シルク・ド・ソレイユ レベルの演出」と絶賛し、この日の15パフォーマンス中、1位と評価しています。

2018/10/06付
ワンランクダウン。
これでトップ10滞在20週となったこの曲、HOT100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではマルーン5 ft. ウィズ・カリファの “Payphone” などと並び93位→83位に上昇しています。

2018/09/29付
ランクダウン。
トップ3に15週滞在(ビルボード史上37曲目)したこの曲、HOT100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではブルーノ・マーズの “Locked Out Of Heaven” などと並び93位に上昇、トップ100入りしています。

2018/09/22付
今週も変わらずでトップ3はこれで15週目。
10月9日に開催されるAmerican Music Awardsではドレイクと並び最多の8部門でノミネートされたカーディ・B。今週もこの曲と “Girls Like You” がトップ10に滞在していることにより、トップ10複数曲同時ランクインは通算で30週となり、エイコンを抜いて単独8位となっています。

2018/09/15付
今週も変わらずトップ3をキープ。
MTV Video Music Awardsでソング・オブ・ザ・サマーを受賞しているこの曲、某音楽誌では『バッド・バニーとJ.バルヴィンの二人はカーディ・Bのエネルギーとマッチしており、曲にダイナミズム(力強さ、活力)をプラスしている』として、最もソング・オブ・ザ・サマーにふさわしい曲と評されています。

2018/09/08付
変わらずトップ3をキープ。
1位陥落後にラジオとセールスを別々に制するという珍しい動きをしているこの曲、トップ10滞在は16週目(トップ10初登場からは21週目)となっており、年間チャートでのトップ10入りは当確と言ってよいかもしれません。また、ブレイクのきっかけになったビデオの再生回数は今週5億回に到達しています。

2018/09/01付
初めてセールスを制して3位キープ。
先週(8/20)開催されたMTV Video Music Awards(以降、VMAs)では新人賞を獲得したカーディ・Bのこの曲、そのVMAsでは “In My Feelings”、”Girls Like You”、”Lucid Dreams”、”Better Now” などを抑えてソング・オブ・サマーにも選ばれています。

2018/08/25付
変わらずトップ3をキープ。
8/18(土)、8/19(日)に行われたサマソニで初来日を果たしたJ.バルヴィンが存在感を示しているこの曲、彼のパートに「(驚いて)お前のカツラが吹っ飛ぶぜ」というフレーズが出てきますが、これはアメリカン・アイドルの審査員になっているケイティ・ペリーが使ってネット上に拡散したフレーズだそうです。

2018/08/18付
ワンランクダウンながら10週目のトップ3。
プロレスの大ファンだというバッド・バニーとJ. バルヴィン。彼らのパートでは『エディ(・ゲレロ)のような戦士。俺たちの民族万歳』、『お前の彼女は俺を見てジミー・スヌーカのように飛びかかってくる』とラップされており、日本でも活躍したプロレスラーの名前が登場しています。

2018/08/11付
変わらず2位をキープ。
先日(7/28)、ヴァース1の『ハラル(※イスラム教の戒律によって食べることが許された食べ物)を食べて ランボルギーニでドライブ』という歌詞をツイートしたカーディ・B。これが特にアラブやムスリムの人たちの間で騒がれていますが、この歌詞はただの言葉遊びだったようで、ハラルのLamb(ラム肉)と車のLamb(Lamborghini、ランボルギーニ)を掛けつつ、Islam(イスラム)にもひっかけた、ということのようです。

2018/08/04付
ラジオでは1位陥落ながら2位をキープ。
ブーガルーとサルサのブレンドと言われているサウンドが玄人ウケしているこの曲、ビルボードのスタッフには今年上半期のベストソングと評されていますが、年間チャートでは今のところトップ10の当落線上ではないかと思います。

2018/07/28付
今週もラジオを制して2位をキープ。
先日(7/20)、夫のオフセットが銃の不法所持で逮捕され、その後(約7万ドルを支払って)釈放されたことをInstagramで報告したカーディ・B。この曲ではバッド・バニーがスペイン語で『銃弾は込めるが引き金はひかない』とラップし、カーディ・Bが『私にはお金が必要なの』とラップしています。

2018/07/21付
ラジオを制してワンランクアップ。
ソング・オブ・サマーのチャートでは “Nice For What” に代わって1位に躍り出たこの曲が収録されているアルバム “Invasion Of Privacy”(プライバシーへの侵略)のタイトルについて、先週(7/10)に無事出産したカーディ・Bは、『昨年9月に(ミーゴスの)オフセットと(婚約ではなく)結婚していたのに、それを知らずに妊娠したと騒ぎ立てるメディアへのメッセージ』だということを明かしています。

2018/07/14付
主要3チャート全てでポイント増ながら2ランクダウンで1週で1位から陥落。
ラテン・トラップとサルサがブレンドされたサウンドが夏によく似合うこの曲、ローリング・ストーン誌では『2018年のソング・オブ・サマーに君臨すべく、おかしな科学者たちが実験室で化学作用を起こして作り上げたサウンド』と評されています。

2018/07/07付
カーディ・Bは2曲目、バッド・バーニーとJ・バルヴィンは初の1位。
主要3チャートでは無冠ながら、1位獲得の主因は値下げ効果(セールス33%増)。これでカーディ・Bは2曲のナンバーワン・ヒットを持つ初の女性ラッパーとなっています。(1曲はローリン・ヒル、リル・キム、ショーナ、イギー・アゼリアの4人)また、アルバム “Invasion of Privacy” から “Bodak Yellow” に続く1位となり、マックルモア&ライアン・ルイス以来(ソロ・アーティストとしてはブルーノ・マーズ以来)、デビュー・アルバムから2曲のナンバーワン・ヒットを輩出したアーティストとなっています。

2018/06/30付
ワンランクアップで最高位更新。
同名異曲でエンリケ・イグレシアス feat. ピットブルの “I Like It”(2010年、最高位4位)、ディーノの “I Like It”(1989年、最高位7位)の最高位を抜いているこの曲、ちなみに1位を獲得すれば “I Like It” が付く曲としてはKC&ザ・サンシャイン・バンドの “That’s The Way (I Like It)” 以来、約43年ぶりとなります。

2018/06/23付
変わらずトップ3をキープ。
カーディ・Bが好きなものがテーマになっているこの曲、ヴァース1では『100万ドルの契約が好き。ペンはどこ?サインするけど。』『バレンシアガ(のシューズ)が好き。ソックスみたいなやつ』『宝石店に行くのが好き。腕時計に散りばめるの』などとラップされています。

2018/06/16付
4ランクアップでトップ3入り。
リリースされたばかりのビデオが好評でストリーミングのポイントが順調に増えているこの曲、プロデューサーは彼女のブレイクスルー・ヒット、”Bodak Yellow” のビートを15分で作ったというJ.ホワイトで、彼はこの曲について『カーディ・Bが好きなものがテーマになっていて、彼女の成功や偉業をお祝いしている曲』と説明しています。

2018/06/09付
12ランクアップで6週ぶりにトップ10復帰&最高位更新。
ビデオのリリース効果で急上昇。7月第1週が出産予定日というカーディ・Bは先日(5/29)、サルサ風ラテン・トラップのこの曲とマイアミのリトル・ハバナで撮影されたというビデオの制作に協力してくれたJ・バルヴィンとバッド・バーニーにスペイン語で感謝の言葉をツイートしています。

2018/04/28付
ワンランクダウンながら2週目もトップ10をキープ。
7月第1週が出産予定日というカーディ・B、先日開催されたコーチェラではバッド・バーニー、J・バルヴィンとともにこの曲をパフォーマンスしています。また、ギャラは2日間で14万ドルだったもののステージセットは自腹で30万ドルかかったため大赤字だったことを明かしています。

2018/04/21付
カーディ・Bは5曲目、バッド・バニーは初、J. バルヴィンは2曲目のトップ10。
ピート・ロドリゲスの1967年のブーガルー(1960年代後半に主にニューヨークで流行したラテン音楽)・ヒット、”I Like It Like That” の要素を取り入れた曲で、『お金が好き、ダイアモンドが好き、輝くものが好き』とラップされているラテン風トラップ。

 
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