【解説】 Fantasy / マライア・キャリー

 
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1995年の今日(9月30日)、1位を獲得した Mariah Carey(マライア・キャリー)の “Fantasy” について解説しました。

片思いの相手との空想の世界を歌った曲で、トム・トム・クラブの “Genius Of Love”(1981年、最高位31位)をサンプリングしているダンス・ポップ。

マイケル・ジャクソンの “You’re Not Alone” 以来、史上2曲目の初登場1位となったこの曲のソングライターはマライアの “Dreamlover”(1993年、最高位1位)も手がけ、プロデューサーも務めているデイヴ・ホール、サンプリングされている “Genius Of Love” の作者の4人(元キング・クリムゾンのエイドリアン・ブリュー+元トーキング・ヘッズでトム・トム・クラブに参加したクリス・フランツ、ティナ・ウェイマス、スティーヴン・スタンリーの3人)、そしてマライア自身。

“Genius Of Love” のメインのソングライターであるエイドリアン・ブリューはこの曲について、『キング・クリムゾンのコンサートでファンから(この曲の)レコードにサインを頼まれるまで知らなかった』そうで、『音楽ビジネスというのは面白い。実はマライアには一度も会ったことがないが、その彼女が俺にお金を送ってくるんだ。』と語っています。

マライアの9曲目のナンバーワン・ヒットでヒップホップの要素も取り入れたリミックス版(プロデュースはパフ・ダディ)もリリースされているこの曲ですが、ヴァース1では

話し方が優しくて素敵なルックスのあなたが
毎晩通り過ぎていくと
興奮しておかしくなっちゃう
ベイビー、私はあなたにすっかり夢中よ
ダーリン、もしあなたが私のことを知ってくれたら…
私の中で湧きあがる全てのことを

続けてフックでは、

でも、これって単なる
スウィートな スウィートな空想なのよ ベイビー

と歌われており、ひょっとすると「あなた」すらも実在はしておらず、「エア彼氏」なのかもしれません。

ちなみに、今年の新人賞候補と噂されているエラ・メイの “Boo’d Up”(2018年7月、最高位5位)のビデオは、この曲のビデオにインスパイアされたものだと言われています。

また、カナダでは当時、史上最長タイとなる12週1位を記録しましたが、その後パフ・ダディの “I’ll Be Missing You”(13週1位)、エルトン・ジョンの “Candle In The Wind 1997″(14週1位)に抜かれています。

【リンク】
当時(1995/09/30)のチャート
マライア・キャリーのヒット曲

 
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