1984年の今日(11月24日)、最高位5位を記録した Tina Turner(ティナ・ターナー)の “Better Be Good To Me” について解説しました。
アメリカのバンド、スパイダーのカヴァー曲で、消極的攻撃性という表現を用いて「私に優しくしておいたほうがいいわよ」と歌われているニューウェーブっぽいダンス・ロック。
ソングライターはスパイダーのヴォーカルでパット・ベネターの “Love Is A Battlefield”(1983年、最高位5位)なども書いているホーリー・ナイトと、ナックやブロンディなどを手掛けている音楽プロデューサーで作曲家のマイク・チャップマン。
そのホーリー・ナイトによると、当時好意を持たれていたドイツ人男性が家に来て、花束と一緒に残して行った “If you’re good to me.”(君が僕に良くしてくれるといいんだけど)というメモにインスパイアされた曲だそうで、このカヴァーについては、『ティナは原曲をよく聴いてくれている(のがよくわかる)。そしてヴォーカルはソウルフル。』とコメントしています。
「あなたのとりこ」という邦題が付けられているこの曲ですが、ヴァース1では
あなたの愛に囚われて
あなたの蜘蛛の巣に絡まれる
夜はホットな囁きで
あなたの魔力にとらえられる
この「感情のショー」でおかしくなって
あなたの愛情不足で
私はくじけてしまわなきゃいけないの?
そうなの? そうなの?
と、文字通り「あなたのとりこ」になっている様子がメゾピアノ(やや弱く)で歌われていますが、フックでは男性への不満を爆発させるかのように
私に優しくしておいたほうがいいわよ
今度はそう来るの
私にはあなたが軽く言う真実なんて必要ないから
私に優しくしておいたほうがいいわよ
そう、優しくしておいたほうがいいわよ
と、消極的かつ攻撃的に歌われています。
ちなみに、ビデオにはザ・フィックスのシー・カーニン(バック・ヴォーカルにも参加)とジェイミー・ウェスト・オラムが出演していますが、これはプロデューサーが同じで、ティナの曲が優先されたため休みを取った「ついで」だそうです。