1983年の今日(4月30日)、1位を獲得した Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)の “Beat It” を解説・和訳しました。
暴力や抗争に巻き込まれる危険性を警告しつつそれらを避けることが勇気だという曲で、エディ・ヴァン・ヘイレンのギター・ソロが印象的なロック。
プロデューサーのクインシー・ジョーンズとマイケルが『俺たちの “My Sharona”(1979年、最高位1位)みたいなロックを作ろう』ということで出来たこの曲は、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターがフィーチャーされたことにより、レッド・ツェッペリンなどの伝統的でヘヴィーなものにこだわったロック系のラジオの放送局でもオンエアされたことも一因となって大ヒット、グラミーでは最優秀レコード賞と(現在は廃止された)最優秀男性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。
タイトルの「ビート・イット」とは実は「逃げろ」という意味で、歌詞的にはあまりロックとは言えないような気もしますが、争いを避けることこそが勇気という平和主義のマイケルならではのメッセージが伝わってきます。
ちなみに、ギター・ソロに入る直前に高速のノック音のようなものが聞こえ、エディがイライラして出した音なのではないかなどの憶測が飛び交いましたが、実際にはマイケルがドラムのケースを叩いて意図的に出した音だそうで、マイケルはこの曲で「ドラム・ケース・ビーター」としてもクレジットされています。
また、クインシーへの好意として参加したのでノーギャラだったというエディ・ヴァン・ヘイレンはこの曲に参加したことについて、マイケルの死後、『私のキャリアの中で最も好きな思い出の1つ』と語っています。
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当時(1983/04/30)のチャート
マイケル・ジャクソンのヒット曲
“Beat It” の和訳
[Verse 1]
They told him, “Don’t you ever come around here
Don’t wanna see your face, you better disappear”
The fire’s in their eyes and their words are really clear
So beat it, just beat it
奴らは彼に「この辺には二度と来るな。
顔も見たくないから消え失せろ」と言った
怒りと憎しみに満ちた眼光
その言葉は本気さ
だから逃げるんだ、ただ逃げろ
[Verse 2]
You better run, you better do what you can
Don’t wanna see no blood, don’t be a macho man (Ooh!)
You wanna be tough, better do what you can
So beat it, but you wanna be bad
走れ、逃げるためなら何でもしろ
血なんか見たくないだろう、強がるんじゃない
タフになりたいんだろ、だったら出来ることをやるんだ
だから逃げるんだ、それでもワルになりたいのか
[Hook]
Just beat it (beat it), beat it (beat it)
No one wants to be defeated
Showin’ how funky and strong is your fight
It doesn’t matter who’s wrong or right
Just beat it (Beat it) ×4
とにかく逃げろ(逃げろ)逃げろ、逃げるんだ
誰だって打ちのめされたくない
だからツッパって強いところを見せようとする
誰が間違っているか正しいかなんて関係ない
とにかく逃げろ(逃げろ)×4
[Verse 3]
They’re out to get you, better leave while you can
Don’t wanna be a boy, you wanna be a man
You wanna stay alive, better do what you can
So beat it, just beat it (Ooh!)
逃げられるときに逃げておけ
ガキみたいなことをするな 大人になれ
生きていたいだろ、だったら出来ることをやるんだ
だから逃げるんだ、ただ逃げろ
[Verse 4]
You have to show them that you’re really not scared (Ooh!)
You’re playin’ with your life, this ain’t no truth or dare (Ooh!)
They’ll kick you, then they’ll beat you, then they’ll tell you it’s fair
So beat it, but you wanna be bad
(逃げることが)臆病ではないっていうことを示さなきゃならない
正義とか勇気の問題なんかじゃない
奴らは君を痛めつけ、当然のことさと言い放つ
だから逃げるんだ、それでもワルになりたいのか