2023/02/18付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週1位、最高位1位)
Miley Cyrus(マイリー・サイラス) – Flowers
今週もストリーミングを制しエアプレイの伸び率もトップで4週目の1位。
ディスコとファンクの影響を受け、フラメンコの要素も取り入れているというこの曲、チャートポイントは先週比約13%ダウンながら、それでもまだクリスマスの時期に圧倒的な強さを見せたマライア・キャリーの “All I Want For Christmas Is You” と同程度の勢いはキープしており、独走状態は続いています。
Miley Cyrus(マイリー・サイラス) – ヒット曲ベスト20
2位 (先週2位、最高位2位)
SZA(シザ) – Kill Bill
今週も変わらずで5週目の2位。
映画「キル・ビル」では女殺し屋役だったヴィヴィカ・A・フォックスがビデオに出演しているこの曲、2023年の年間チャートでは暫定5位に上昇したと思われます。
3位 (先週27位、最高位3位)
Morgan Wallen(モーガン・ウォーレン) – Last Night
ストリーミングの伸び率トップでいきなりトップ3入り。
モーガン・ウォーレンは5曲目のトップ10。パートナーとのアルコールが絡んだ人間関係の葛藤が描かれている曲で、フックでは『昨夜は俺たちリカー・トーク(飲みながらの話)だったね。話したことのすべては覚えていないけど、すべて話した』と歌われています。
4位 (先週5位、最高位1位)
Sam Smith(サム・スミス) & Kim Petras(キム・ペトラス) – Unholy
グラミー効果でワンランクアップ。
サム・スミスが『そのままでいい、前に進めと背中を押してくれた曲』と語っているローラ・ブラニガンの “Gloria”(1982年、最高位2位)をタイトルにしたというアルバムに収録されているこの曲、グラミーに続いて土曜日に開催されたBRIT賞(イギリス版グラミー)でもパフォーマンスされています。
5位 (先週3位、最高位3位)
Metro Boomin(メトロ・ブーミン), 21 Savage(21サヴェージ) & The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Creepin’
チャートポイント上昇ながら2ランクダウン。
ザ・ウィークエンドがロサンゼルスで何かの撮影をしているという一般人の目撃ツイートに対して本人が 『Creepin’』と返信したことからオフィシャル・ビデオが近々リリースされるという期待が高まっているこの曲、2023年の年間チャートでは暫定9位に上昇したと思われます。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20
6位 (先週15位、最高位6位)
Beyonce(ビヨンセ) – CUFF IT
セールスを制して5週ぶりトップ10復帰で最高位更新。
グラミーで最優秀R&Bソングを受賞&リミックス版リリースのダブル効果でセールスが急上昇。デヴィッド・ボウイの “Let’s Dance”(1983年、最高位1位)、マドンナの “Like A Virgin”(1984年、最高位1位)など多数の大ヒット曲を手がけたナイル・ロジャースがソングライターに加わり、ディスコの要素も取り入れられているこの曲、ビヨンセのヒット曲ランキングでは “Sweet Dreams”(2009年、最高位10位)を抜いて19位に上昇しています。
Beyonce(ビヨンセ) – ヒット曲ベスト20(更新)
7位 (先週4位、最高位1位)
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – Anti-Hero
3ランクダウンでトップ5から陥落。
別れた男のことはすべて曲にすると言われている自分のイメージを逆手に取った “Blank Space”(2014年、最高位1位)レベルで今度は自分のイメージを皮肉っていると評されているこの曲、トップ10をキープする余力はまだ残っているものの、テイラーのヒット曲ランキングでは(現時点で2位の)”Blank Space” のレベルを超えられるかどうかは微妙な状況になっています。
【解説・和訳】 Anti-Hero / テイラー・スウィフト
Taylor Swift(テイラー・スウィフト) – ヒット曲ベスト20
8位 (先週6位、最高位6位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Die For You
今週もラジオを制したものの2ランクダウン。
4:20だったものをラジオ用として3:40に編集したこともエアプレイ好調の一因になっているこの曲、2023年の年間チャートでは暫定6位に上昇したと思われます。
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20
9位 (先週7位、最高位4位)
David Guetta(デヴィッド・ゲッタ) & Bebe Rexha(ビービー・レクサ) – I’m Good (Blue)
こちらも2ランクダウン。
歌詞には出てこないもののタイトルにサンプリング元のメイン・タイトルである “Blue” を括弧書きで残し、タイトルに “Blue”(”Blues”は除く)が付く曲としてデビー・ギブソンの “Out Of The Blue”(1988年、最高位3位)以来、8曲目のトップ5ヒットとなったこの曲、2023年の年間チャートではトップ50入りが確実となる水準に達して暫定4位をキープしていると思われます。
10位 (先週9位、最高位1位)
Harry Stayles(ハリー・スタイルズ) – As It Was
グラミー効果でチャートポイント約11%アップながらワンランクダウン。
ザ・ウィークエンドの “Blinding Lights”(2020年、最高位1位)に似たスタイルを採用したことを明かしているハリー・スタイルズのこの曲、BRIT賞ではオープニングでパフォーマンスされ、ソング・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
以上、最新のトップ10紹介でした。