2021/02/13付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週1位、最高位1位)
Olivia Rodrigo(オリヴィア・ロドリゴ) – drivers license
今週もストリーミングを制して4週目の1位。
「経験したとても複雑な失恋の感情をすべて歌に込めたことで、気持ちがシンプルで明確になった」と語っているオリヴィア・ロドリゴのカタルシス(悲劇が心に怖れと憐れみの感情を呼び起こし精神を浄化する効果)な歌詞が印象的なこの曲、チャートポイントは先週比約17%ダウンと減速中(ただし、ラジオは伸び率1位で16位→11位に上昇)で来週の1位継続には黄色信号が点灯しています。
2位 (先週2位、最高位1位)
24kGoldn(24kゴールデン) feat. iann dior(イアン・ディオール) – Mood
2位変わらず。
タッグチームの一発ヒット、”Whoomp! (There It Is)”(1993年、最高位2位)が初めて達成して以来、57曲目のトップ10滞在23週となったこの曲、Hot 100(10位以内)の順位をもとにスコア化したオールタイム・チャートではショーン・メンデス&カミラ・カベロの “Señorita”(2019年、最高位1位)など8曲を抜いて35位→27位に上昇しています。
3位 (先週3位、最高位1位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Blinding Lights
変わらずトップ3をキープ。
トップ3滞在はビルボード史上8曲目(4位タイ)となる19週。日曜日に開催されたスーパーボウルのハーフタイムショーでは圧巻のパフォーマンスを披露したザ・ウィークエンド。最後にパフォーマンスされたこの曲は現時点でiTunesで1位になるなど早速その効果が出ており、来週は42週ぶりの1位となるかもしれません。(今のところ、”drivers license” とカーディ・Bの “Up” を交えた三つ巴の争い)
【解説・和訳】 Blinding Lights / ザ・ウィークエンド
4位 (先週4位、最高位2位)
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – 34+35
4位変わらず。
ドジャ・キャットとミーガン・ジー・スタリオンと共に撮影されたとみられる映像を3人で見ている後ろ姿と、舞台裏で撮ったと思われる3人のセルフィーの2枚の写真をTwitterに投稿し、この曲のリミックス版の公式ビデオがリリースされることを強く示唆したアリアナ。再来週以降、再上昇のきっかけになりそうです。
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – ヒット曲ベスト20(更新)
5位 (先週5位、最高位5位)
Dua Lipa(デュア・リパ) feat. DaBaby(ダベイビー) – Levitating
今週も最高位をキープ。
ビデオではエレベーターの中でダベイビーと共演するシーンが印象的なデュア・リパのこの曲、今のところ5位止まりとなっていますが、2月12日に決まったペアレントアルバム “Future Nostalgia – The Moonlight Edition” の再リリースが更に上に行くための乗り換えエレベータになるかもしれません。
6位 (先週6位、最高位5位)
Chris Brown(クリス・ブラウン) & Young Thug(ヤング・サグ) – Go Crazy
今週もラジオは制したものの6位変わらず。
トップ10滞在はまだ9週ながらトップ10入りは半年以上前でロングヒットとなっているこの曲、今年度のチャートポイントの合計(=現時点での2021年の年間チャート)では今のところ5位だと思われます。
Chris Brown(クリス・ブラウン) – ヒット曲ベスト20
7位 (先週7位、最高位1位)
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – positions
こちらも変わらず。
今週も「体位」の意味もあるこの曲と「シックスナイン」を意味する “34+35” の「セックスつながり」の2曲をトップ10にランクインさせたアリアナ。これでトップ10に同時に複数曲をランクインさせた週は合計25週となっています。(歴代11位。ちなみに1位はドレイクの64週)
8位 (先週14位、最高位8位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Save Your Tears
ザ・ウィークエンドは12曲目のトップ10。
元恋人でモデルのベラ・ハディッドに向けたものと言われており、ロマンスから逃げ出して彼女の心を壊してしまった後悔の念が歌われている曲。スーパーボウルのハーフタイムショーでは5曲目(全8曲)にパフォーマンス(やや短め)されており、”Blinding Lights” ほどではないものの、来週はその効果が期待できます。(今のところ4位予想)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20(更新)
9位 (先週8位、最高位3位)
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) feat. Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー) – Holy
ワンランクダウン。
“10,000 Hours”(2019年、最高位4位)から続く、妻のヘイリーに向けたラブソング・メドレーのアンカーかもしれないこの曲、チャートポイントは先週比7~8%とやや大きめの減少となっているようで、途切れ途切れになったトップ10滞在もそろそろ終わりになりそうです。
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – ヒット曲ベスト20
10位 (先週16位、最高位10位)
CJ(CJ) – Whoopty
CJは初のトップ10。
iTunesでの値下げ効果(セールス132%アップ)で急上昇。タイトルの「ウープティ」はロサンゼルスのギャング “The Brims”(別名 “Hats”)が使用する挨拶だそうで、ラッパーの三種の神器(?)金、女、薬のことがラップされています。
以上、最新のトップ10紹介でした。