2020/11/21付 ビルボード Hot 100 トップ10解説
1位 (先週1位、最高位1位)
24kGoldn(24kゴールデン) feat. iann dior(イアン・ディオール) – Mood
ストリーミングとラジオを制して4週目の1位。
ジャスティン・ビーバーとJ. バルヴィンがフィーチャーされたリミックス版のリリース効果でチャート・ポイントが大幅アップして最弱1位の汚名返上。ジャスティンのパートでは、『君の体にコネクトしようとしてるんだ。ブルートゥースみたいに』と歌われています。なお、チャートポイントに対する比率はオリジナル版のほうが高いためジャスティンとJ. バルヴィンの名前はクレジットされていません。
2位 (先週2位、最高位1位)
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – positions
2位変わらず。
チャート・ポイントは(おそらく)先週比15%以上ダウンで、週によってはトップ10にも入れないレベルながら2位をキープしたこの曲、アリアナのヒット曲ランキングでは、”Rain On Me”(2020年、最高位1位)を抜いて8位に上昇しています。
Ariana Grande(アリアナ・グランデ) – ヒット曲ベスト20(更新)
3位 (先週5位、最高位3位)
Gabby Barrett(ギャビー・バレット) feat. Charlie Puth(チャーリー・プース) – I Hope
2ランクアップでトップ3入り。
上昇の要因は先週11日に放送されたCMA(カントリー・ミュージック・アソシエーション・アワード)でのパフォーマンス効果で、チャートイン46週目でのトップ3入りはイマジン・ドラゴンズの “Radioactive”(2013年、最高位3位)の43週を抜いてビルボード史上最長記録。もし今後1位獲得となると(「季節もの」のマライア・キャリーの “All I Want For Christmas Is You” を除いて)ロス・デル・リオの “Macarena”(1996年)が持つチャートイン33週目で1位の記録を大幅に更新することになりますが、その可能性は今のところ高いとは言えないと思います。
4位 (先週3位、最高位2位)
Drake(ドレイク) feat. Lil Durk(リル・ダーク) – Laugh Now Cry Later
ワンランクダウンで3度目のトップ3陥落。
ビルボード史上最多の42曲のトップ10ヒットを持つドレイクのヒット曲ランキングでは現在8位となっているこの曲、年度またぎになってしまったこともあり、今年の年間チャートでは40位前後になると思われます。
Drake(ドレイク) – ヒット曲ベスト20
5位 (先週4位、最高位1位)
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – Blinding Lights
ワンランクダウンながら今週もトップ5をキープ。
来年のスーパーボウルでハーフタイムショーを務めることが決まっているザ・ウィークエンドのこの曲、トップ5滞在は新記録更新で33週、そしてトップ10滞在はついにポスト・マローンの “Circles”(2019年、最高位1位)と並んで歴代1位タイの39週となっています。
【解説・和訳】 Blinding Lights / ザ・ウィークエンド
The Weeknd(ザ・ウィークエンド) – ヒット曲ベスト20
6位 (先週7位、最高位6位)
Internet Money(インターネット・マネー) & Gunna(ガンナ) feat. Don Toliver(ドン・トリヴァー) & NAV(NAV) – Lemonade
ワンランクアップで今週も最高位更新。
「レモネード」と言っても怪しい混合物が注入されている飲み物のことだと思われるこの曲、やや不発だったロディ・リッチが参加したリミックス版に続く新たな起爆剤が投入されれば更なる上昇も期待できそうですが、今のところその予定はなさそうです。
7位 (先週11位、最高位3位)
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) feat. Chance The Rapper(チャンス・ザ・ラッパー) – Holy
4ランクアップで2度目のトップ10復帰。
タイトルに “Holy” が付く曲としてはニール・ダイアモンドの “Holly Holy”(1969年、最高位6位)、ジェイ・Z ft. ジャスティン・ティンバーレイクの “Holy Grail”(2013年、最高位4位)に次いで3曲目のトップ10ヒットとなっているこの曲、Holyな(聖なる)時期=クリスマスが近づくにつれ、勢いを増す(?)かもしれません。
Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー) – ヒット曲ベスト20
8位 (先週9位、最高位8位)
Bad Bunny(バッド・バニー) & Jhay Cortez(ジャイ・コルテッツ) – Dakiti
ワンランクアップで最高位更新。
シンプルで強いビートとスペイン語のラップが特徴とされるレゲトン(ヒップホップとラテンの融合)サウンドのこの曲、ラテン系の曲はビデオの再生回数が伸びる傾向にあり、早くも1億回を軽く突破しています。(ちなみに、YouTubeの再生回数1位だったルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキー ft. ジャスティン・ビーバーの “Despacito”(2017年、最高位1位)は最近 “Baby Shark” に抜かれて2位になっています)
9位 (先週6位、最高位1位)
Jawsh(ジョシュ685), Jason Derulo(ジェイソン・デルーロ) – Savage Love (Laxed – Siren Beat)
3ランクダウン。
BTSの名前はクレジットからすぐに消えたものの、1位獲得の主因は間違いなく彼らが参加したリミックス版と言えるこの曲、そのリミックス版ではシュガの「愛とはある意味瞬間の感情の羅列」という韓国語の歌詞やジョングクのファルセット(裏声)などで楽曲に多彩さがプラスされており、なかなか良いバージョンだったと思います。
Jason Derulo(ジェイソン・デルーロ) – ヒット曲ベスト10
10位 (先週12位、最高位6位)
Pop Smoke(ポップ・スモーク) feat. Lil Baby(リル・ベイビー) & DaBaby(ダベイビー) – For the Night
18週ぶりにトップ10復帰。
特にこれといった要因は見当たらないものの、ラジオの伸び率がトップ(順位は42位)で2ランクアップ。「夜だけの女」がテーマのこの曲、18週(以上)ぶりのトップ10復帰はビルボード史上17番目(クリスマス関連の曲を除くと12番目)の記録となっています。ちなみに、クリスマス関連曲を除くトップ10復帰間隔最長記録はプリンスの “When Doves Cry”(1984年、最高位1位)で1654週(約31年10か月)。
以上、最新のトップ10紹介でした。