ビルボード Hot 100(2017/04/29付) トップ10解説

 
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2017/04/29付 ビルボード Hot 100 トップ10解説



1位右矢印 (先週1位、最高位1位)
Ed Sheeran(エド・シーラン) – Shape Of You
今週もラジオを制して12週目の1位。
横綱相撲で他を寄せ付けないこの曲、いまだに週1000万回以上再生されているビデオのラストではエドがスモウ・レスラーに扮していますが、相手役は力士最重量記録(200kg)を持ち、前頭9枚目まで上がったものの八百長問題に関与して引退した山本山。
【解説・和訳】Shape Of You / Ed Sheeran(エド・シーラン)


2位右上矢印 (先週3位、最高位2位)
Bruno Mars(ブルーノ・マーズ) – That’s What I Like
ワンランクアップで最高位復帰。
ビルボード史上8組目、男性ソロアーティストとしてはエルヴィス・プレスリー、アッシャーに続いて3人目となるトップ10滞在200週を達成したブルーノ・マーズ、この曲のトップ10滞在はまだ9週ながら、彼のヒット曲ベスト10では今のところ9位にランクインしています。
Bruno Mars(ブルーノ・マーズ) – ヒット曲ベスト10


3位右下矢印 (先週2位、最高位2位)
Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー) – Humble.
セールス48%減、ラジオ53%増でワンランクダウン。
音楽作りにアルコールもドラッグも不要というケンドリック・ラマーが自分を神と重ね合わせ、敵対するラッパーたちに “Be humble”(謙虚でいなさい) という神の言葉を浴びせている(と解釈されている)この曲、特にビッグ・ショーンに向けたものでは?とも言われているようです。

4位アップ (先週-位、最高位4位)
Harry Styles(ハリー・スタイルズ) – Sign Of The Times
元ワンダイレクションのハリー・スタイルズは初のトップ10。
ハリーが『2か月滞在したジャマイカで何からも邪魔されず、最も自信を持って書いた「非常にパーソナル」な曲』と説明しているグラム・ロックっぽいこの曲、『泣くのはやめて。これが時代の流れだよ。ファイナル・ショーへようこそ。』と歌われており、ワンダイレクションとファンの「失恋ソング」のようにも感じられます。ちなみに、ハリーがこのデビューシングルについて初めてアナウンスをしたのは、プリンスのアルバム “Sign ‘O’ The Times” のリリースから30年後(正確には30年と1日後)の3/31。


5位右矢印 (先週5位、最高位3位)
The Chainsmokers(ザ・チェインスモーカーズ) & Coldplay(コールドプレイ) – Something Just Like This
変わらずトップ5をキープ。
この曲が収録されている “Memories…Do Not Open”(アルバムチャート1位デビュー)のリリース効果は限定的だったものの、チェインスモーカーズの連続トップ10滞在はこれで50週。同記録3位(51週)のドレイク、同2位(52週)のエルヴィス・プレスリーが射程圏内となっています。ちなみに同1位はケイティ・ペリーの69週。


6位右下矢印 (先週4位、最高位4位)
KYLE(カイル) feat. Lil Yachty(リル・ヨッティ) – iSpy
2ランクダウンでトップ5から陥落。
しかしながら、ストリーミング23%増(6位→4位)、セールス16%増(19位→13位)、ラジオ5%増(33位→24位)と主要3チャートではポイントも順位も全て上昇しており、珍しい現象となっています。


7位アップ (先週11位、最高位7位)
Future(フューチャー) – Mask Off
フューチャーは2曲目のトップ10。
#MaskOffChallengeがミーム(情報の遺伝子)となって急上昇。マスクを脱いで正体をさらすように、ドラッグの常用を包み隠さ打ち明けている曲で、『パーコセット(鎮痛剤にも含まれるドラッグの成分?)、モーリー(MDMA、通称エクスタシー)、パーコセット』と連呼されています。

8位アップ (先週16位、最高位8位)
Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート) – XO TOUR Llif3
リル・ウージー・ヴァートは2曲目のトップ10。
“Mask Off” 同様、#LilUziVertChallengeがミームとなって急上昇。彼女に裏切られ(浮気され)つつ、「別れるのなら自殺する」と詰め寄られたるリル・ウージー・ヴァートの実話(?)がもとになっている曲で、『彼女は言ったんだ、「死ぬのなんて怖くない」って』とラップされています。ちなみに曲の内容とは関係なさそうなタイトルは、彼がオープニング・アクトを務めたザ・ウィークエンドのツアー名から取ったものだそうです。


9位右下矢印 (先週6位、最高位6位)
Sam Hunt(サム・ハント) – Body Like A Back Road
3ランクダウン。
『(早くイカないように)制限速度30マイルのところを15マイルで走る。あせっちゃいない。出来るだけ早く、ゆっくりやるんだ』とセクシャルに歌われいるこの曲、昨年末にサム・ハントがガールフレンドと婚約した直後に書いたものだそうです。


10位右下矢印 (先週9位、最高位6位)
The Chainsmokers(ザ・チェインスモーカーズ) – Paris
ワンランクダウン。
アルバムのリリース効果もあって何とかトップ10はキープしたこの曲、これで最高位6位ながら10週目のトップ10。トップ5に入れず10週以上トップ10に滞在した曲としてはマルーン5の “Don’t Wanna Know” 以来39曲目。ちなみに同記録の最長はリアーナの “Needed Me” で16週。また、最高位が最も低くて10週以上トップ10に滞在したのはメーガン・トレーナー ft. ジョン・レジェンドの “Like I’m Gonna Lose You”(最高位8位、トップ10滞在10週)。

以上、最新チャートのトップ10でした。

 
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コメント

  1. リーダー より:

    丁寧な回答ありがとうございます。
    そういう理由ですなんですか。
    現在のチャートではストリーミングも集計対象になっているので,
    2つ作る事で得点を倍取ろうとしていたのかと思っていました。

  2. リーダー より:

    お久しぶりです。
    エド・シーラン,ぶっちぎりですね。
    かつて,「UptownFunk」から2位に抑えこまれていたエドが,
    今度はブルーノ・マーズを2位に抑えて,堂々の横綱相撲で1位というのは,
    なかなか感慨深いものがあります。
    この曲を初めて聞いた時,
    ♪Oh—I—oh—I—oh—I—oh—I
    の部分が,何か癖のある感じがして特に耳に残りました。
    さて,ミスター洋楽さんに質問があります。
    最近はPVがオフィシャル・ビデオとリリック・ビデオの2種類存在しているのを見かけます。なぜ2種類存在しているのでしょうか?あとこれは,いつ頃から始まったのでしょうか?もし,答えていただけるのであれば,嬉しい限りです。
    では失礼いたしました。

    • エドとブルーノ、そういえばそうですね。

      はっきりしたことはわかりませんが、リリック・ビデオが急に増えたのは2、3年前くらいからではないでしょうか?
      最近のビデオはちょっとした映画並みに費用も時間もかかるので、コスパのいいリリック・ビデオを先に出して、曲の売れ行きなども見てからオフィシャル・ビデオにどれくらいのコストをかけるかという判断をしているような気がします。(基本的にレーベル側の意向だと思います)